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京都の和食おすすめ3店!極上のおもてなしに触れるならカウンターの店へ
2026.03.01

京都で特別な体験をしたいなら、カウンターのある和食店へ。カウンター越しに感じる職人の手さばき、季節の料理、提供のタイミングやちょっとした会話から感じる心配り。最後に出るお茶にまでおもてなしの心が行き届いた、至福の時間が流れる名店をご紹介。
1.店主の豊かな感性と発想を楽しむ「御料理 いはら田」

「一杯のお茶を丁寧にお出しするということ自体が、日本の最高のおもてなしだと思います」と店主の居原田司さん。
京都駅から車で10分ほどのところにある「御料理 いはら田」は、地元の人だけでなく観光客も数多く訪れる人気の日本料理店です。
清々しい檜のカウンターの向こうで料理の腕をふるう主人の居原田司(いはらだつかさ)さんが提供するのは、季節を丁寧に盛り込んだおまかせのコースです。懐石料理をベースに居原田さんの感性豊かな、自由な発想の味を楽しむことができます。
たとえば薬味や塩、オリジナルソースで味わうお造りや、コースによっては熟成但馬牛や海老芋コロッケなどの洋風料理が登場します。

おまかせのコースは、前菜、お椀、お造り、お凌ぎ、焼き物、煮物など約10~11品。取材時のデザートはパリッと薄い最中の皮にクリームブリュレのアイスや白ワインジュレ、フルーツなどを挟んだ、華やかな一皿(写真左上)。
「ちょっと変化球を加えた味、サプライズな味を、楽しんでいただいています」と居原田さんは言います。
そして、お料理と一緒に出されるお茶にも居原田さんのこだわりがあります。あっさりとして料理にうまく寄り添うお茶は、和食にとってとても重要な脇役だと考えているのです。
「料理と料理の間に、舌を清々しく爽やかにしてくれるのもお茶の魅力ですね。お茶を飲むことによって、それぞれの料理がよく引き立ち、より深く味わうことができるのではないでしょうか」
カウンターの向こうで居原田さんがゆっくりとほうじ茶を淹れると、あたりに焙じた茶葉の芳香がさあっと広がって、食欲をそそります。
どのコースでも食事の終わりには、スイーツカフェのメニューかと思うような彩り豊かなデザートが登場します。居原田さんは緑茶と玄米と抹茶をブレンドしたお茶を一緒に出しますが、しっかりとした甘みに濃厚なお茶がぴったりとよく合います。舌もおなかも満足するひとときです。

居原田さんの淹れるお茶。冬は温かく、夏は冷たいお茶を出す心遣いに、日本のおもてなしが現れている。

いはら田
【住所】京都市下京区西七条比輪田町26
【電話】075-314-8899
【営業時間】17:30〜22:00
【定休日】日曜不定休
【料金】おまかせコース14,520円〜(税・サ込)
2.食べるとお腹が空く料理!?「六条院拓磨」

胃腸の働きをよくしたり、疲労回復や免疫アップなど、健やかなからだに導くための、考え抜かれた料理を提供する店主の森拓磨さん。
清水五条駅から少し南へ行ったあたりにあるコンクリートのシックな外観。引き戸を開けるとカウンター6席の落ち着いた空間が出迎えてくれます。
店主の森拓磨さんが供するのは、おまかせのフルコースのみで、そのコンセプトは“食べるとお腹が空く料理”です。
森さんは、あるお客さんの言葉がきっかけで、夜寝る前にはもうお腹が空いて、翌朝にまったく残らない健やかなフルコース料理を探求します。“料理は科学”という視点で、旬の食材の魅力を最大限に引き出しつつ、日本古来の調理法や発酵食、抗酸化作用の高い食材を加味して、独自のフルコースを完成させました。コースには季節の果物の糠漬けや季節の野菜の自家製奈良漬けが登場。発酵食を摂ることで、胃腸の動きをよくして食欲を増進させるなど、食べ物とからだの関係を熟知した上で、からだを健やかな環境へと導いてくれる料理を提供しています。

DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)をたっぷりと含んだ冬の味覚、鰤と胡麻の組合せを楽しむ「天然鰤のお造り 自家製胡麻煎り酒を添えて」(写真左)。良質なたんぱく質を含む蟹といぶりがっこ、締め鯖を合せていただく「コッペ蟹の最中 いぶりがっこ・締め鯖とともに」(写真右)。
また、森さんは自身の料理コンセプトにおいて、お茶も非常に重要な存在だと考えています。
「お食事中は冬ならば温かいほうじ茶を、暑い季節は粉末の冷緑茶をお出しします。お茶のカテキンやビタミンCを加えることで、さらに健やかな食を目指すことができます」
料理と料理の間にお茶を口に含むと、味覚がすっきりリセットされて、次の料理への期待が膨らみ、最後まで料理をおいしくいただくことができるのも、お茶の持つ力だと森さんは考えます。

フルコースの締めに森さんが点てる抹茶をゆっくりと味わう。濃厚な味を楽しみつつ、胃も舌もすっきり。
フルコースの締めには、デザートとともに目の前で森さんが点ててくれた抹茶をゆっくりと味わいます。美しい所作で点てる抹茶の香気にふわりと包まれて、口に含めば、濃厚な抹茶が甘露のように舌の上に広がります。今、いただいた料理への満足感が増して、お茶の栄養分がからだのすみずみまで染み渡ってくるようです。
料理とお茶をともに楽しむうちに、“料理は科学”という独自の視点に、お茶が重要な役割を果たすことをおいしく体感することができました。

六条院拓磨
【住所】京都市下京区河原町五条下ル本塩竈町571-2
【電話】075-741-6342
【営業時間】12:00〜15:00、17:00〜23:00
【定休日】不定休
【料金】フルコース昼夜ともに13,200円〜(税・サ込)
3.唯々食べることを楽しむ「唯食 いかわ」

気さくな人柄の店主、井川靖子さん。
京都市左京区、一乗寺(いちじょうじ)の閑静な街の一角にある「唯食(ゆいしょく) いかわ」。こちらのお店では主人の井川靖子さんが季節ごとの海の幸や山の幸を丁寧に選び、心を込めた料理を提供しています。
井川さんの笑顔とともに供されるのは、旬の味で彩られた料理たち。中でもお造り盛合せは、朱塗りの皿に今が旬の魚介と山野草がまるで自然の風景をかたどるように美しく盛られて、見るからに心が弾んできます。山海の恵みの滋味に日本茶の豊かな味わいが寄り添い、食材とお茶の力がからだのすみずみまで巡っていくようです。

アオリイカやホッキ貝、氷見ブリなどの魚介にフユイチゴやスイバ、タネツケバナなどの山野草を添えてともに食す(写真右)。八寸には菊芋のピクルスや美山の鹿ロースなど、彩り豊かな料理が並ぶ(写真左)。
井川さんは、お客様に出すお茶をとても大切にしています。
「お酒を飲まれない方にはまず、最初に熱い玄米茶をたっぷりとご用意します。とくに冬の季節は寒い屋外からおみえになるので、まず玄米茶で冷えたからだを温め、喉を潤していただきたいです」
お料理が進めば、お皿を出すタイミングに合せて、お茶をほうじ番茶に変えます。ほうじ番茶はあっさりして料理の味を邪魔せず、その香気が味わいを引き立てます。そして、食事の締めに必ず出しているのが、梅干入りの番茶です。
「梅干は口の中をすっきりとさせて、疲労回復にも役立ちますので、お酒を召し上がる方もとても喜ばれます。日本人にとってお茶のある食卓の風景は、馴染みが深く、かけがえのないものですね」

急須でゆっくりとお茶を淹れる井川さん。どこか懐かしく、香ばしい香りが漂ってくる。
店名の“唯食”は、“食材と人に感謝し、唯々食を楽しむ”ことにちなんでいるのだとか。奇を衒(てら)わず、普段通りに、素材を大切に料理し、おいしく提供したい。井川さんの思いが結晶した味の数々、そしてカウンターをはさんで弾む会話のあるひとときは、我が家で食事を楽しむような安心感に包まれます。そんな食事の空間に、ほっと温かさを添える日本茶は欠かせないものです。

唯食 いかわ
【住所】京都市左京区一乗寺谷田町33-2
【電話】075-722-8590
【営業時間】17:00〜22:00
【定休日】不定休
【料金】おまかせコース7,700円〜(税・サ込)
4.まとめ
店主のおもてなしに触れるひとときを楽しめるカウンターのある和食店。お客様との会話を楽しむ温かなカウンター形式を大切にする店主たちとの時間は特別な体験です。ベストなタイミングで供される、趣向を凝らした料理、料理の味を引き立たせるお茶。京都のカウンターのある和食店には、おもてなしの心が行き届いた、至福の時間が流れています。




