全国で親しまれている日本茶の種類
世界中の飲み物の中で、お水に次いで二番目に多く飲まれている飲み物は、お茶ということをご存知でしたでしょうか。数あるお茶の種類の中でも日本人にとって最もなじみ深いお茶といえば、緑茶をはじめとした「日本茶」です。そして、日本茶の中にも、製法により様々な種類があります。ここでは、そんな日本茶の種類とそれぞれの特徴についてご紹介します。
世界のお茶文化
お茶は、「茶樹(チャノキ)」の葉や茎を加工して作られる飲み物の総称です。日本茶のほか、紅茶やウーロン茶なども同じ茶樹を原材料としています。茶樹から作られるお茶の中で、世界で最も多く飲まれているお茶は、実は紅茶です。古くから紅茶を愛する国として知られるイギリスでは、国民一人当たり年間約2.6キロ(5~6杯/1日)の紅茶を消費していて、その量は日本人の約25倍。朝食とともに楽しむモーニングティー、夕食後のくつろぎのひとときにいただくアフターディナーティーなど、イギリスでは紅茶を飲む習慣が人々の暮らしに根付いています。また、緑茶やウーロン茶と異なり、砂糖やミルクをはじめ、ジャムやフルーツ、ハーブなどを入れて様々なアレンジを楽しめるのも、紅茶の人気を不動のものとする理由の一つです。
日本茶の文化
世界の紅茶人気に対して、日本で生産されるお茶(日本茶)のほとんどは、緑茶です。独特の旨味と甘み、渋み、苦み、そして香りを持ち味とした緑茶は、私たち日本人の暮らしに欠かせない飲み物となっています。ただお茶の味を楽しむだけではなく、わび・さびの精神や「一期一会」といった世界観を大切にする日本茶の文化は、日本人の考え方や行動にも影響を与えているといっても過言ではないと思われます。
また、日本では、国土で湧出る水のほとんどが軟水です。水は硬度が低いほど味がクリアに感じられるため、硬度が低い軟水のほうがお茶も美味しく飲めると言われています。日本の水との相性が良いのも、1,000年以上に渡ってお茶が国民に親しまれる理由の一つでしょう。脂質の少ない和食との相性も抜群で、和食が世界無形文化財に認定されて以降、世界中で日本茶の愛飲者が増えているといわれています。
日本茶の種類
日本茶は、同じ茶樹でも日光の当て方や茶葉を摘む時期、茶葉の蒸し時間などによって味わいが異なります。ここでは、主な4種類をご紹介します。製造方法によってお茶に含まれる成分も変わってくるため、お茶の健康効果に関心のある方は、以下を参考にしてお茶の成分に関してもこだわって選んでみてはいかがでしょうか。
煎茶
現在、日本で最も多く流通しているお茶で、江戸時代に宇治田原の永谷宗円が完成させた青製製茶法(宇治製法)によって、生まれた日本のお茶の基本形といえます。これより工夫が重ねられ、玉露やかぶせ茶が生まれました。初夏に「新茶」として、販売されているお茶は、この煎茶の新茶になります。主に、蒸す工程で2種類に分かれ、普通煎茶(若蒸し煎茶)と深蒸し煎茶があり、その味わいは、旨みと渋み、苦みのバランスが良く、加えて、火香の調節により、草木のような香りや、香ばしい甘い香りのものと、店舗のこだわりや、銘柄により、さまざまに趣向がこらされ、店頭にならんでいます。煎茶には、O157など殺菌効果や、生活習慣病の予防になるカテキンや、美容にかかせない成分であるビタミンCの含有量が多いとされています。
玉露・かぶせ茶
新芽が開き始める頃、よしずや稲わらで日光を遮り、栽培した茶葉を原材料としたもの。その製茶法はほぼ煎茶と同じですが蒸し時間や火入れ時間が異なります。旨味成分の元となるテアニン(アミノ酸類)が多く、渋みの元となるカテキンが少なめなで、まろやかな味わいとなります。かぶせ茶、玉露は、総称して覆い茶とよばれ、日光を遮る時間や、より手間暇をかけた高級品を玉露、それ以外をかぶせ茶と呼んでいます。
抹茶
玉露と同様、日光を遮って栽培した新芽を蒸した後、揉まずに乾燥させ、まずは碾茶と呼ばれる半製品にし、そこから茎や葉脈をはずし、葉肉部分のみを石臼で粉状にしたもの。茶道はもちろん、お菓子作りにも欠かせない抹茶は、茶葉に含まれる成分を無駄なく取り入れることができます。まろやかな甘みとほろ苦さ、香ばしい甘い香りが特徴です。
番茶
一番茶と二番茶の間や、冬支度の秋、新茶前の整枝の際に収穫した茶葉を原材料としたもの。強い日差しを浴びて硬化した茶葉は、カフェインが少なく、幼児から大人まで、どなたにでも、親しんでいただけるという意味でも、番茶という名前があてはまるのかと思われます。熱風や砂炒り等で焙煎して、ほうじ茶の原料にも使われます。
私たち日本人の暮らしに欠かせない日本茶ですが、このように日本茶の種類は様々です。茶葉の栽培や製造方法はもちろん、茶葉の色や形、香りの違いを楽しみながら、お気に入りの日本茶を選んでみてはいかがでしょうか。
宇治田原製茶場ではお茶の選び方について下記のページでご紹介をしております。
ぜひご覧ください。
お茶の種類について
https://shop.chanoma.co.jp/category/1