上品な旨味の日本茶 玉露の特徴とは

上品な旨味の日本茶 玉露の特徴とは

上品な味と香りを兼ね備えた玉露は、他の日本茶と比べて味も価格も別格です。玉露の特徴である、深く濃い緑色を持つ茶葉は、覆下栽培と呼ばれる特殊な方法で栽培されます。そして最上級品ともなれば、茶摘みを手作業で丁寧に行うことにより、その上品な味と香りが育まれます。今回は高貴な質感に加え、ストレス解消や睡眠改善、近年では認知症予防など、様々な健康効果も期待される玉露の味と香りの原点をご紹介します。

玉露とは

数ある日本茶の中でも最高級品として知られる玉露は、まさに「お茶の王様」と呼ばれるのにふさわしい贅沢な緑茶です。他にはないとろりとした濃厚な甘みとコクは、手間暇かけてじっくりと作られた茶葉の証。原色に近い艶やかな濃緑色をした茶葉を手に取ると、甘みを感じるふわりとした香りが漂います。玉露も煎茶も、同じ茶樹から採れる茶葉を原材料としているのにも関わらず、味も香りも全く異なります。その秘密は、茶葉の栽培方法の違いに隠されています。

玉露の栽培方法  

玉露は、新芽が2~3枚ひらき始めた頃、茶畑全体をよしずや稲わらで覆い、日光を遮って栽培されます(覆下栽培)。日光を遮断する期間は約20日。暗所を保った環境の中、じっくりと茶葉が熟成されていきます。そのため、玉露の摘採時期は、通常の緑茶より少し遅くなります。
暗闇に包まれた茶葉は、他にはない濃い緑色になり、まるで青海苔のような香りを放つのも玉露の特徴です。これは、光を遮断されてしまった茶葉が、光合成の効率を良くしようとより多くの葉緑素(葉の細胞にある緑色の色素)を合成させるためで、また、光合成とともに生成される渋み成分のカテキンが増えない分、アミノ酸の一種であるテアニンの量が葉内に蓄積し、渋みを抑えた甘みの強い茶葉となります。このテアニンには、神経機能や精神に働きかける作用があるため、リラックス効果や集中力アップ、睡眠改善効果、認知症予防など様々な健康効果が注目されています。

玉露の歴史

玉露は煎茶の成功で財をなした茶業者が絶えることなく新商品の開発にしのぎを削り、「甘露の味がする」と評されるお茶が誕生しました。これが玉露と名付けられて現在に至ります。やがて生産地が全国に広がり、覆下栽培に適した気候の産地(京都府以外では、福岡県八女市や静岡県藤枝市など)にて、碾茶とともに生産が根付いていきます。手間暇かけて栽培、生産される玉露は日本茶の代表的な高級茶としてブランド力を維持したまま生産され続けています。

玉露の栽培には手間暇と時間がかかり、特に最上級品ともなれば、年に一度しか摘採されないものもある、大変稀少なお茶として扱われています。贅沢な味と香りが魅力の玉露は、来客用やお祝い事にはもちろん、お友達とティータイムをゆっくり楽しみたいときにもぴったり。ふんわりとした玉露の香りに癒やされながら、優雅な時間をお過ごしください。

また玉露の甘味を楽しむ入れ方についてもご紹介をしております。
ぜひご覧ください。

玉露・かぶせ茶
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