やさしい味わいで親しまれるほうじ茶の特徴とは

やさしい味わいで親しまれるほうじ茶の特徴とは

独特の香りとやさしい味わいが魅力のほうじ茶。比較的安価でカフェインが少ないことから、赤ちゃんやお年寄り、病気療養中の方も安心して飲むことができます。またほうじ茶は見た目が赤茶色でありながら、煎茶や抹茶と同様に緑茶の一つです。それは作り方が少し異なっているからなのです。

ほうじ茶はどうやって作られる?

ほうじ茶は、茶葉の摘採から焙煎前までの工程は他の緑茶と同様ですが、その後緑茶を炮烙(ほうろ)と呼ばれる窯で焙煎(高熱で乾煎りする行程)して作られます。焙煎の工程で茶葉が濃い赤茶色に変化はしますが、それまでは日本茶特有の蒸し製緑茶の製法で作られるので、日本茶(緑茶)に分類されます。
使う材料茶葉により、最適な焙煎の加減を調整することによって、味や香りに変化が生じるのも特徴の一つです。
ほうじ茶は、家庭でも簡単に作ることができるのをご存知でしょうか。熱したフライパンで緑茶を好みの色まで煎り、十分に熱を冷ましたら完成です。ご試作の際には、少し煙が出たかと思うと一気に焦げてしまうので、ゆすりながら焦がさないように、茶葉の状態と火加減にご注意ください。

ほうじ茶の香り成分

ほうじ茶独特の香ばしさは、茶葉を焙煎する際に作られる「ピラジン」が主成分となっています。焙煎によって、茶葉に含まれるカフェインやタンニン、カテキンといった成分の大半が失われてしまいますが、ピラジンの量は増加していきます。ピラジンには、血液をサラサラにする効果があり、生活習慣病を予防する効果が期待できます。また、脳にはたらきかけ、心をリラックスさせる効果があり、イライラや不安の解消はもちろん、認知症の予防にも役立つともいわれています。ほうじ茶が万能のお茶といわれる所以は、このピラジンが大きく関係しています。
ほうじ茶の香り成分を余すことなく摂るなら、沸騰させたお湯が冷めないうちに淹れるのがコツです。高温で焙煎しているほうじ茶の茶葉は、他の茶葉よりも大きく膨らんでおり、高めのお湯でなければ、茶葉が浮いたままでなかなかお湯がしみこまず、味や香りをしっかりと抽出することができないことがあります。

ほうじ茶が好まれる場面  

ほうじ茶のはじまりは、あまり上等ではない茶葉や古くなった茶葉の香りを引き立て、美味しく飲めるよう工夫を重ねたことからであると言われています。中にはごく一部高級な茶葉を使用したほうじ茶も売られていますが、今も親しみやすいお茶であると言えるでしょう。煎茶にくらべ渋みや苦みが少なく、赤ちゃんからお年寄りまで幅広い世代に親しまれています。胃腸を刺激しやすいカフェインややカテキンの量が少ないため、病気療養中や妊娠中の方の水分補給にも最適です。最近では、ほうじ茶の味と香りを活かしたお菓子や、フレーバーティーも人気を集めています。

幅広い効能が期待できるほうじ茶は、美容や健康に関心のある女性を中心に大きな注目を集めています。ほうじ茶に含まれる香り成分を余すことなく堪能するなら、急須を使って高温のお湯で淹れて飲むのがおすすめです。ぜひご家族みなさまで、お楽しみください。

宇治田原製茶場でもほうじ茶を取り扱っております。ぜひご覧ください。
ほうじ茶
https://shop.chanoma.co.jp/category/B7