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【保存版】お茶にまつわる専門用語。知ればお茶がもっと好きになる!
2024.04.01
お茶にまつわる言葉は実にたくさんあります。荒茶や出物、火入れなど、どのような意味なのかをご存知ですか?わかるようで知らないお茶の専門用語をイラストとともに徹底解説します。お茶の用語を知ることで、お茶はもっとおいしくなるはずです!
目次
1.【水色】お茶を淹れたときの色のこと
水色なのに緑色?とまるでなぞなぞのような言葉ですが、「水色」は「みずいろ」ではなく、お茶業界では「すいしょく」と読みます。
水色は、お茶を注いだときの色のことを指します。新茶は爽やかな薄い黄緑色、深蒸し茶は濃い緑色、というようにお茶の種類によって異なります。ほかにも育て方や製造方法、お茶を淹れる温度によっても変わるとても繊細なものなのです!
また水色は、茶師がお茶の品質を審査する際のチェック項目でもあります。お茶のよし悪しを決める基準になる大切な「色」。急須からお湯を注いで、湯呑に広がる美しいお茶の色を目でも味わってみてください。
2.【かぶせ茶】茶葉に覆いをかぶせて育てたお茶
「かぶせ茶」は、布をかけて物を変えるマジックのように、お茶の味わいを変えるために、収穫前の茶畑に布をかける栽培方法で育てたお茶のことを言います。
かぶせ茶は、収穫の約一週間前に茶畑を藁や寒冷紗などの遮光資材で覆って光を遮り育てます。この栽培方法を「被覆(ひふく)」と呼びます。
日光を遮ることで、光合成を抑えられ、葉の中のアミノ酸やテアニンなどの旨み成分が増えるので、まろやかな旨みや甘みのあるお茶になるのです。
かぶせ茶のほかにも玉露でも被覆は行ないますが、覆う期間が異なります。かぶせ茶は被覆をせずに育てる煎茶と、20日間ほど被覆をする玉露の中間にあたり、いいところ取りの味わいです。
3.【一芯三葉】ひとつの芯に3枚の葉がついた茶摘みの目安!
「一芯三葉(いっしんさんよう)」は、おいしいお茶の目安となる、お茶業界で昔から使われている言葉です。
お茶の木の枝は、先端に「芯」、つまり芽があり、その下に互い違いに葉がついています。芽から三枚目までの葉を一芯三葉と呼びます。一芯三葉は、芽吹いたばかりの葉で、とてもやわらかく甘みの強いお茶になります。
4.【蒸し】味を決めるお茶づくりで重要な工程!
「蒸し」とはお茶づくりの一番最初の工程であり、最も重要な工程です。
お茶の葉は、摘んだその瞬間からすぐに酸化が始まります。その働きを止めるために、葉を蒸気で一気に蒸すのです。蒸すことで茶葉の細胞膜が壊れ、抽出しやすくなります。また、生葉特有の青臭みを取り除きます。
蒸す時間によって、お茶の味・香り・水色が変化します。一般的な煎茶の蒸し時間は約30〜40秒なのに対して、深蒸し茶は約60秒以上と長いのが特長です。
5.【撚り】ツンと美しい針のようにねじれた茶葉の状態
「撚り」は、茶葉がねじれていることを言います。ねじり鉢巻に袖をまくって「腕によりをかけるぞ」とよくありますが、気合いが入ったものがねじれているのはお茶も同じです。
茶葉は蒸したり乾燥させたりして製茶していきますが、製茶の過程で一方向に揉んで、細いこよりのようにします。そのことを「撚り」といいます。針のように美しく、ツンとした茶葉は、しっかりと撚られたおいしいお茶の証拠なのです。
6.【荒茶】選別前の茎や粉が混ざった緑茶の原形
「荒茶(あらちゃ)」は、荒れ狂う波に揉まれてつくられたお茶……ではなく、茶畑で大切に育てられたお茶です。
「荒茶」とは、緑茶の原形となるお茶のことをいいます。収穫したお茶の葉は、摘んだらすぐに酸化(発酵)が始まるので、その働きを止めるために急いで蒸します。蒸したあとは、揉み、乾燥という工程を経てできあがるのが荒茶です。
荒茶は製茶したままの姿なので茎や粉が混じり、形や大きさが不揃いです。そこから加工や選別をして、皆様に届く見た目の整ったお茶になるのです!
7.【出物】荒茶から選別された茎・粉・芽
「出物(でもの)」と付くものは世の中にたくさんありますが、お茶の「出物」は、荒茶を選別する過程で出てきた茎、粉、芽の部分を集めたお茶のことを言います。
緑茶の原形である荒茶は、茎や木軸が混ざっていたり、形が不揃いだったりする状態です。その荒茶から、不揃いな葉などを選別して本茶へと仕上げる過程で出てくるものが出物で、茎は茎茶、粉は粉茶、芽は芽茶となります。茎茶、粉茶、芽茶は荒茶からわずかしかとれない希少なお茶です。
8.【火入れ】お茶の個性を出す製茶の仕上げ工程
「火入れ」とは製茶工程のひとつで、仕上げの作業のことです。茶葉を直火、熱風、赤外線、マイクロ波などの方法で加熱することを示します。
火入れを行なうことで、「火香(ひか)」と呼ばれる香ばしい香りがお茶につき、茶葉の色に深みが出ます。しっかりと乾燥するので品質を安定させる効果もあります。
9.【碾茶】石臼で碾くと抹茶の完成!
「碾茶」の茶葉は平べったい形をしていますが、決してロードローラーでひいたわけではありません。
「碾茶(てんちゃ)」とは、かぶせ茶や玉露のように覆いをかけて育てた生茶を蒸したのち、揉まずに乾燥させてつくったお茶の種類のことです。揉んでいないので、煎茶などのようにツンとした茶葉ではなく、平べったい海苔のような茶葉の形をしています。碾茶をを石臼でじっくり碾くと、抹茶ができあがるのです。
10.まとめ
いかがでしたでしょうか。お茶の色を指す「水色」や、覆いをかぶせて育てる「かぶせ茶」、茶摘みの目安となる「一芯三葉」、お茶づくりの重要な工程の「蒸し」、茶葉がきれいにねじれている状態の「撚り」、緑茶の原形となる「荒茶」、荒茶から選別された「出物」、製茶の最後の仕上げ工程の「火入れ」、抹茶の原料になる「碾茶」など、お茶にまつわる専門用語は実にたくさんあります。
これまであまり分からなかったお茶の用語を知ることで、お茶がよりおいしく感じられるのではないでしょうか。