美味しさを引き立てるお茶の淹れ方

美味しさを引き立てるお茶の淹れ方

お茶は、味だけではなく香りや見た目の美しさを楽しむ嗜好品としての面もあります。お茶の魅力を最大限に引き出すためには、茶葉の種類に適した温度のお湯を使い、抽出する時間に注意しながら淹れるなどのテクニックを知っておくと、より美味しくお茶をいただくことができます。コツさえつかめばいつでも気軽に美味しいお茶を楽しめるようになりますので、ぜひ今回の説明を参考にしてお茶を淹れてみてください。

お茶には美味しい淹れ方がある  

お茶は、茶葉の淹れ方次第で味や香りが変わります。ペットボトルのお茶が普及している昨今ですが、急須で淹れたお茶の味と香りに勝るものはありません。お茶の魅力を存分に楽しむには、淹れ方にもこだわりたいですね。正しい淹れ方を知っておくと、一度抽出した茶葉を二煎目、三煎目と味わうことができるため、楽しみが増えることでしょう。

お湯の温度と抽出時間でお茶の味が変わる  

お茶を淹れるときに注意すべきポイントは、抽出時間とお湯の温度です。煎茶であれば、うっすらと湯気が上がる程度の低温(80度)でゆっくり淹れると、テアニン、カテキン、カフェインの味成分がバランスよく抽出できます。2人分であれば、お湯を注いで45秒が飲み頃ですが、少し渋い味が好みの場合は、10秒ほど抽出時間を長めに取ると良いでしょう。
一方、沸騰したばかりの高温(90度)で淹れると、カフェインとカテキンをより抽出しやすいと言われています。そのため渋みが強く、甘みや旨みが抑えられた味わいになるでしょう。
まとめると、甘めにしたいときは、ぬるめのお湯でゆっくり出し、キリッとさわやかに淹れたいときは、熱めでサッと出すとよいでしょう。
また、2煎目、3煎目と淹れていくにしたがって、成分が抜けていくので、あとになるほどお湯の温度を上げていくのも、最後までおいしく味わうコツになります。これらの特徴を利用して、美味しいお茶を、余すことなく、楽しみ尽くしていただければと思います。

お茶を美味しく淹れる手順とポイント  

お茶の淹れ方ひとつで、味わいが変わってきます。ここでは、お茶の美味しい淹れ方のポイントをご紹介します。

茶器を温める

お茶は、冷めるにしたがって風味や香りが落ちてしまいます。最も良い味と香りを少しでも長く楽しめるように、あらかじめ湯呑などの茶器類は温めておきます。

お湯を適温に冷ます

沸騰させたお湯は、器を移し替える度に10度程度温度が下がります。ですから、茶器を温めるために一度茶器に移したお湯を、もう一度別の容器に移せば、適温の80度までお湯が冷ますことができます。ここで使う容器は、湯冷ましという専門の容器もありますが、ない場合は計量カップなどの容器でも構いません。

急須に茶葉を入れお湯を注ぐ

急須に人数分の茶葉を入れ、適温に冷ましたお湯をゆっくりと注ぎます。このとき、急須を揺すると苦み成分が余計に出てしまうため、蓋をしたまま動かさず、45秒ほど待ちましょう。

湯呑へ回数を分けて注ぐ

45秒経ったら、どの湯呑にも同じ量と濃さのお茶を注がれるよう、お茶の濃さを見ながら少しずつ、並べた湯呑を往復するように注いでいきます。後に注ぐほどお茶の色が濃くなるため、均一になるように調整しましょう。  

最後の一滴まで注ぎきる

急須に注いだお茶は、最後の一滴まで注ぐようにしましょう。お茶の成分は、最後の一滴に最も多く含まれていると言われています。また、最後まで注ぐことで、二煎目、三煎目まで美味しく飲むことができます。

コツを押さえて丁寧に淹れたお茶は、茶葉の種類や値段に関わらず、一味も二味も違った味わいを楽しむことができます。お茶の美味しさを引き立てるには、ここでご紹介したお湯の温度や抽出時間の他にも、お茶に使うお水や茶器にもこだわりを持ってみると良いかもしれませんね。ぜひ自分が美味しいと思うお茶の淹れ方を見つけてみてください。