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70代YouTuberの水彩画家・柴崎春通さん「人生の主人公は自分」

2024.12.01

 
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笑顔の柴崎春通さんの画像

「おじいちゃん先生」としてYouTubeで人気の水彩画家・柴崎春通さん。「人生の主人公は自分。他人を気にするよりも、自分がやりたいことをしたい」と若い頃から興味をもったことをしてきたと語ります。何歳になっても新たな挑戦を続ける柴崎さんの人生に迫ります。

目次

画家・YouTuber 柴崎 春通さん

右手を挙げる柴崎春通さんの画像

1947年千葉県生まれ。1970年和光大学芸術学科卒。荻太郎、中根寛に師事。2001年文化庁派遣芸術家在外研究員としてアメリカに渡り、The Art Students League of New Yorkなどで水彩画の研究を行なう。2017年からYouTubeにて『Watercolor by Shibasaki』を開始。現在のYouTubeチャンネル登録者数は180万人。InstagramなどさまざまなSNSで人気を博し、全SNSの合計フォロワー数は340万人に達している(2024年7月現在)。

【YouTubeチャンネル】https://youtu.be/leL0A3GGLvI?si=RelawN5UUekqEx48

1.7年で登録者数180万人を突破!70歳でYouTuberデビューしたきっかけとは?

――2017年にYouTubeを始め、今では、登録者数が180万人(2024年7月現在)を超える人気YouTuberとなった画家の柴崎春通さん。俳優の杏さんをはじめ、さまざまな方とコラボするなど、ますます精力的に活動されていますね。

おかげさまで、世界中の人に見ていただけて、すごくうれしいですね。YouTubeは7年前、70歳のときに始めました。息子に勧められたのがきっかけでしたが、実際にやってみるとすごく楽しくて、自分に合っていると感じます。

――クレヨンや色鉛筆など身近な画材を使い、超絶技巧で絵を仕上げるギャップ、やわらかな語り口や、さまざまなものに挑戦する姿が話題を集め、「おじいちゃん先生」と多くの方に親しまれています。

YouTubeでは、主に絵の制作過程を見せたり、さまざまな画材に挑戦する様子を見せています。多くの方が楽しんでくれているのは、作品ができあがっていく過程を知る面白さがあるからだと思うんです。

――動画を拝見すると、絵を描きながら、「こうしてみようかな」「こっちのほうが面白くなりそう」といろいろ試すのを楽しんでいらっしゃる様子がうかがえます。

クリエイティブなことは、自分でやるから楽しいんですよね。僕自身は絵を描くことや動画をつくることを楽しんでいますが、動画を見てくださっている方たちにも、実際に自分で絵を描いてほしいと思っています。動画の中で、クレヨンや色鉛筆など身近な画材をよく使うのは、動画を見て、「描いてみたい」と思った人がすぐ描き始められるようにと思ってのことです。ときにはデジタルで絵を描くパソコンソフトに挑戦することもあります。いろいろな効果が使えて面白いです。

一方で、今はパソコンが絵を描いてくれる生成AIのソフトもありますよね。AIに任せれば、きれいな絵ができあがりますが、それではクリエイティブの面白さを感じることができません。たとえ失敗しても、自分で挑戦して、汗をかいて、完成させることで充実感や達成感を得ることができる。それが人間らしいというか、自分で自分のやりたいことをやるっていうことだと思うんです。

2.幼い頃から「みんなと一緒」がギモンだった自分がやりたいことを続ける人生

――幼い頃から、絵を描くことやクリエイティブなことがお好きだったのでしょうか?

絵を描くのは好きでしたね。ただ、小さい頃は協調性がないとよく言われていました。みんなが右に行くといえば、ひとり左に行ってしまうようなタイプ。みんなと一緒に同じことをするのが好きじゃなかったんですよ。

――絵を描くことを仕事にしようと思われたのは?

画家になれたのはたまたまです。ふつうの人がやらないことをやってきて、そこに絵が好きっていうことがうまくかみ合ったんですね。

もちろん技術は必要ですから、芸大時代はデッサンをがむしゃらにやりました。デッサンは自分のレベルがどこなのか、如実にわかりますから。18歳のとき、田舎から出てきて芸大に進学し、デッサンだけは真面目に勉強しました。

――そこからずっと絵の道を歩まれているのですね。

芸大卒業後は、美術講座の講師などを務めながら、銀座と京橋を拠点に個展で透明水彩画を中心に作品を発表し続けてきました。僕は自分でやりたいと思ったことしかしてないんです。それは就職、結婚、子育てと今までの人生がすべてそうです。巻き込まれた家族はそう思っていないかもしれないですけど(笑)。

いつも好きなように生きていたいから、みんながするからするっていう考え方も、自分の手足を縛っているような感覚があるんです。「みんな」じゃなくて、自分が感じて、自分が決めたことをやる。僕はずっとそんなふうにやってきました。

3.やりたいことは尽きない。ときにはお茶を飲んで息抜きしながら、毎日を楽しむ

お茶を飲む柴崎春通さんの画像

創作の合間によくお茶を飲んでいるという柴崎さん。いくつかのお茶を用意して、気分に合せて選んでいるという。

――柴崎さんはどのようなものをよく描かれるのでしょうか?

僕はなんでも描くんですよ。目についたものを片っ端から描く。2024年の夏に大阪で個展をしたときは、猫や自然を描いた作品が多かったですが、猫も、植物や風景などの自然もそれぞれ違った価値を持っています。自分の思い込みや好き嫌いで、「これはそういうものだ」って決めつけてしまうと、その決めつけが自分を縛ってしまって、どんどん窮屈になってしまうんです。決めつけから自由になるには、観察が大切です。いろいろな角度や表情を観察して、「こんな面があるのか!」と発見して、楽しむんです。

個展で飾られた絵の画像

個展で飾られた絵の画像

2024年夏に大阪で開かれた個展の様子。

――柴崎さんの「好きなことをやる」は絵だけではありませんね。

野菜づくりや植木、猫の世話でもなんでも自分でやりますね。甘いものが大好きで、鍋いっぱいにジャムを一からつくったこともあります。梅やブルーベリーなど、自家製のジャムがいくつもあるんです。ぬか漬けづくりも得意ですよ。自分でやってみるということが日々の充実につながっていると思います。

――柴崎さんは、お茶もお好きだと伺いました。

お茶は大好きですね。絵を描いているときも水分補給にお茶を飲んでいますし、妻に呼ばれてゆっくり楽しむこともあります。

アトリエにこもって絵を描いていると、妻が「お茶ですよ」って呼んでくれます。それで、夢中になっていたことに気づくんです。僕は、もうちょっと描いていたいなぁなんて思いながら、アトリエを後にするんです。いい息抜きになって、創作も進みますね。

――ご夫婦でお茶を楽しまれているのですね。

うちには5種類くらい日本茶が常備してあって、気分に合せて飲みたいものを急須で淹れて飲むんです。どれを飲もうか、選ぶのも楽しいです。茎茶のスッキリとした味わいが欲しいときもあるし、玉露の甘さやほうじ茶の香ばしさもいいですね。

昔、バックパッカーで世界中を回っていたので、世界のいろいろなお茶も知っていますよ。中国に招待されたときは、お土産にたっぷりお茶をいただいて帰ってきました。

――昔からずっと、アクティブでいらっしゃったのですね。やりたいことは尽きませんか?

僕はいつも昨日とは違うことをやりたいと思っていて、朝起きたときに、今日はなにをしよう、なにが面白いだろうって考えるんです。それで、あれとこれとそれとって思いついたことをその日のうちにやってしまう。好奇心は尽きないです。

僕ももういい年ですからね。明日どうなるかわからない。だったらもう、やりたいことをめいっぱいやらないと。

ときどき、やりたいことがわからないって相談があるんですけど、そんなことないと思うんです。誰でも今日面白いと感じたこと、好きだって思うことがありますよね。その気持ちを大事にして、好きだって思ったことをやればいいんですよ。

人生の主人公は自分なんだから、生きているならやりたいことをしたい。それでいいと思うんです。

――柴崎さんが、今後どんな挑戦をされるのか楽しみです。本日は貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。

4.まとめ

登録者数が180万人を超えるYouTubeチャンネルで、絵を超絶技巧で仕上げる様子が人気を集めるおじいちゃん先生・柴崎春通さん。「人生は一度きり。やりたいことをめいっぱいやらないと」と語ります。そんな、どんなことにも楽しそうに挑戦していく姿が多くの人を引きつけるのかもしれません。柴崎さんの姿に、人生を豊かに楽しむ秘訣が見えてきます。


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