歴史ある宇治茶の新たな挑戦！究極のプレミアム宇治茶をご存じですか？

2024.08.01

　

お茶の種類である煎茶と玉露が、京都の宇治から生まれた歴史を知っていますか。宇治茶は昔から時代に合せて変化し続け、日本茶に大変革をもたらしてきました。そして今、注目の新たな試みが始まっています。それが宇治茶の中でもとびきりおいしい高品質の緑茶を選び抜く「プレミアム宇治茶」の認証制度です。究極のプレミアム宇治茶についてご紹介します。

１．京都の宇治が、日本茶の歴史を大きく動かした？

日本三大銘茶の1つとして知られ、全国のお茶好きに愛されている宇治茶。その歴史は鎌倉時代まで遡ります。日本の臨済宗の開祖である栄西（えいさい）禅師が中国から持ち帰ったお茶の種を、京都・高山寺の明恵上人（みょうえしょうにん）が宇治に伝えたのが始まりとされています。

その後、宇治茶は日本茶の歴史を大きく変えてきました。１つめが、煎茶の技法です。江戸時代中頃に宇治田原町の永谷宗円（ながたにそうえん）翁が「青製煎茶製法（あおせいせんちゃせいほう）」という新たな技法を生み出しました。それまでのお茶づくりは、茶葉を蒸してから乾燥させるだけでしたが、宗円翁は蒸した茶葉を丁寧に「揉む」ことで、茶葉の旨みや成分を凝縮させて、鮮やかな緑色のおいしい煎茶をつくり出したのです。

２つめが玉露。なんと、玉露の製法も宇治が発祥だといわれています。時代のニーズに合せて進化し続けてきた革新的な緑茶、それが宇治茶です。

２．宇治茶の中の宇治茶を決める、プレミアム宇治茶の認証制度

日本茶の歴史を変えてきた宇治茶。そのおいしさをもっとたくさんの方に知ってほしいと話すのが、宇治茶文化の継承と普及に務める京都府茶業会議所の深町一憲さんです。そして宇治茶の魅力を深めるために、深町さんたちが６年前にスタートさせたのが『プレミアム宇治茶』の認証制度です。

「プレミアム宇治茶の認証制度とは、お茶のプロによって構成される品質審査会が宇治茶の香りや味わいを徹底的に審査して、特に高品質な宇治茶を『プレミアム』に認証するというものです。宇治茶の歴史との関わりも深い『煎茶』と『玉露』、そして玉露の中でも特に価値のある、丁寧に手摘みされたものだけを集めた『手摘み玉露』の３部門で構成されています」。

　 　

■ プレミアム煎茶

品質審査会で高品質と評価された特別な煎茶。

　

■ プレミアム玉露

京都府内産の玉露の中でも特に高品質と評価されたもの。

　

■ プレミアム手摘み玉露

お茶の新芽を手で折るようにして丁寧に摘んだ特別な玉露。

３．プレミアム宇治茶に選ばれるための４つの特長とは？

　

■ 宇治茶の価値を決める４つの大きな特長

プレミアム宇治茶として選ばれるお茶には、大きく分けて4つの特長があります。

「1つめは茶葉の外観。茶葉がピンと細く撚られて光沢があるかを見極めます。2つめは香気。3つめはお茶の水色（すいしょく）の美しさ。そして4つめは滋味です。品質審査会が、これら4つの特長を兼ね備えているかを審査します。すぐれた茶葉と丁寧な製法、そのどちらが欠けてもおいしいお茶はつくれません。数多くの項目を審査員が厳しく判定するため、出品してくださったお茶屋さんには大変申し訳ないのですが、残念ながらプレミアムの認証に至らないことも。それほどに厳正な審査を行なっています」。

プレミアム宇治茶の認証基準は非常に厳しく、審査の対象となるのは一番茶だけです。一番茶とは、その年の一番最初に芽を出した茶葉を摘んで製茶したお茶のこと。一番摘みの新芽には香りと旨み成分が凝縮されています。

こうして選抜されたお茶だけが、「プレミアム煎茶」「プレミアム玉露」「プレミアム手摘み玉露」に認証されます。中でも特に味わっていただきたいのが、手摘み玉露です。茶農家が茶葉の生育具合を目で確認しつつ、最良の部分だけを丁寧に手摘みした、まさに宝物のようなお茶です。お茶のプロが認める「プレミアム」のおいしさを、ぜひ体験してください。

４．まとめ

日本茶の歴史に大きく関わってきた宇治茶は、伝統を守りつつ、大きな変革にも果敢に取り組んできました。そんな宇治茶の魅力を広めるための新たな試みが「プレミアム宇治茶」の認証制度です。お茶のプロによる厳しい審査を経て「プレミアム」の称号を勝ち取った緑茶は、香りや旨みなど、数々の特長を兼ね備えています。人生で一度は味わっていただきたい、特別なお茶です。

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