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実は京都が発祥の玄米茶。種類や選び方、焙煎の秘密をご紹介
2023.02.01
炒った玄米を茶葉に加えた玄米茶。京都発祥のお茶であり、玄米が配合されることでカフェインも少なく、芳しい香りとサッパリとした味わいで、多くの方に人気です。そんな玄米茶ですが、現在、どんどんおいしく、種類も豊富になっています! その最新事情から製造まで、おいしさの秘密を徹底追求!
目次
1.ひとことで言い表せない玄米茶の魅力!
昭和のはじめ頃、京都の茶商が正月のかがみ餅を細かく砕き、炒ったものをお茶に入れたことから始まったといわれている玄米茶。「香ばしい!」と評判になり、今ではすっかり定番に。玄米をプラスする分、カフェインが少なめになると注目され、また、生姜を入れて飲むとさらに健康によいという話もあり、可能性が広がっています。
お茶屋でも、炒った玄米と煎茶をブレンドしたスタンダードな玄米茶だけでなく、茎茶や深蒸し茶など、さまざまな茶葉を使ってみたり、玄米の炒り方を工夫したり、別の素材をブレンドしてみたりと、さまざまな種類が。一口に玄米茶といっても、そのおいしさはどんどん進化しているのです。
ブレンドする素材によって、大きく異なる味わいや香り。いろいろな玄米茶を飲み比べてみると、お茶の世界がグッと広がります。
2.玄米茶の7つの種類
玄米茶は、ブレンドする素材によって大きく7つの種類に分けられます。1つずつ見ていきましょう。
玄米茶
【ブレンド:煎茶+かぶせ粉茶+炒り玄米+花】
爽やかな煎茶に玄米が香ばしく香る、これぞ玄米茶という王道の味わい。玄米の香ばしさに茶葉の香りが調和し、さっぱりとしたおいしさ。高温のお湯で抽出時間も短いため、ふだん使いのお茶としても人気。
抹茶入玄米茶
【ブレンド:煎茶+抹茶+炒り玄米+花】
健康によいと注目の抹茶をブレンドした玄米茶。抹茶ならではの美しい緑色とまろやかな味わいが加わったおいしさ。抹茶は玄米の香りを包み込みやすいので、熟練の技によって配合される。
かりがね玄米茶
【ブレンド:煎茶茎+炒り玄米+花】
お茶通に人気の茎茶(かりがね)を使用し、よりすっきりと爽快な味を楽しめる。茎茶は出物と呼ばれる製茶の際に出る茎の部分のみを選り分けたもので、希少なお茶。渋みが少なく人気の味わい。
抹茶入かりがね玄米茶
【ブレンド:煎茶茎+抹茶+炒り玄米+花】
かりがね玄米茶に抹茶を加え、まろやかさをプラス。クセのない、飲みやすい味わいの玄米茶。抹茶を加えることで、より爽快な風味がより引き立ったおいしさ。
深蒸し玄米茶
【ブレンド:深蒸し煎茶+炒り玄米+花】
深蒸し茶の濃厚な風味に砕いた玄米の香ばしさをプラス。濃い深蒸し茶の風味に負けないよう、炒り玄米を砕いてブレンドするなど、お茶屋の知恵と技術が詰まっている。力強い味わいと豊かな芳香が楽しめる。
豆入ほうじ玄米茶
【ブレンド:ほうじ茶+半割り大豆+炒り玄米+花】
ほうじ茶、大豆、玄米の香り豊かな素材を組合せ、香ばしさを追求。お湯を注いだ途端、ふわりと穏やかな香りに包まれる。ほうじ茶をベースにした、豆のやさしい風味が感じられる、素朴な味わいの玄米茶。
黒豆入抹茶玄米茶
【ブレンド:煎茶+黒豆+抹茶+炒り玄米+花】
黒豆の特長を引き出すブレンドで、豆の甘みと香りを楽しめる玄米茶に。黒豆の甘みと香りを引き出すために、一部黒豆を砕いてブレンドするなど、おいしく仕上げるためにさまざまな工夫がされている。
3.玄米茶の選び方
玄米茶を選ぶときは、さまざまな種類の玄米茶の特長を知っておきましょう。玄米茶らしい香ばしい風味を楽しみたいというなら王道の味わいや、豆をブレンドしたもの、小さなお子様がいるご家庭や夜でも楽しみたいというときは、渋みが少なくカフェインも少なめのほうじ茶ブレンドのものなど、シーンや好みに合わせてお選びください。
4.玄米茶のおいしさの要!焙煎工程
「玄米」茶というからには、炒り玄米はおいしさの要。お米の豊かな香ばしさと旨みは、玄米茶の大切な特長です。
おいしい玄米茶をつくるため、玄米にはこだわりが溢れています。
素材に使う原料は、ただよいお米を使えばよいというわけではありません。よいお米は旨み成分豊富で、香りも深く、味も濃厚です。しかし、玄米茶として茶葉との組合せを考えると、主張しすぎてお茶本来の香りを損ねてしまう恐れもあります。大切なのは、ブレンドするお茶との相性を考えてお米の原料を選ぶことです。そして、素材の特長を引き出すための焙煎技術が重要です。
焙煎には、実に三段階もの手間をかけたものもあります。
一度に高温で火入れをしてしまうと表面だけ焦げてしまい、芯まで火が通りません。お米の旨みが閉じ込められたままになってしまうのです。
そのため、焦がさずにいくつもの段階を経て、じっくりと焙煎する必要があります。その日の気温や湿度を見極めながら、微妙に温度や時間を調整しつつ、お米から香りと旨みを引き出します。
焙煎❶
最初の焙煎でお米をふっくらとさせ、中まで火が入るようにする!
焙煎❷
次に、旨みを最大限引き出す!
焙煎❸
仕上げは香ばしさ!深みのある炒り玄米に
こうして焙煎された炒り玄米を素材に、茶師がお茶とのブレンドを考えます。
香ばしい炒り玄米と煎茶のさわやかな味わいを楽しめる王道の「玄米茶」。小さいお子様にも楽しめるようほうじ茶に炒り玄米だけでなく、やさしい豆の風味を加えた「豆入ほうじ玄米茶」。豊富な健康成分で注目を集める黒豆をブレンドした「黒豆抹茶入玄米茶」。特に、近年ブームとなっている抹茶をブレンドした「抹茶入玄米茶」。美しい緑色とまろやかな味わいが特長で人気がありますが、抹茶は玄米の香りを包み込む性質があり、繊細で扱いが難しい素材。配合には注意が必要です。
さまざまな素材を見極めることで、玄米茶の可能性は広がり続けています。いろいろな玄米茶の中から、好みに合った味わいを探してお楽しみください。
5.まとめ
玄米茶なんてどれも同じと思っていたら、焙煎技術の進化、そしてプロのブレンド技術で多彩なバリエーションが生まれていた玄米茶。
その種類の豊富さにびっくりです。いろいろと飲み比べをしてみたくなりますね!