高級なお茶はどうやって決まるの?
手軽に購入できる安価なお茶から、1杯1000円以上の値段をつける高価なお茶まで、幅広い価格帯で販売されているお茶。その中でも、来客用や贈答品としてお茶を選ぶのであれば、普段なかなか手に取ることのない高級茶を選んでみてはいかがでしょうか。数々の品評会で受賞歴のある銘柄や、特別な手法で栽培された銘柄などの中で、どのようなお茶が高級茶として決められているのでしょうか。ここでは、高級品として扱われるお茶の特徴と、代表的な高級茶の種類についてご紹介します。
高級なお茶ができる理由
高級なお茶と評価されるためには、まず味や品質の評価が重要です。毎年、全国各地で開催されるお茶の品評会では、それぞれの産地から選りすぐりのお茶が集まり、一つ一つ厳しい審査が行われます。お茶の審査は、一般的に茶葉の「外観(形)」「香気」「水色(お湯に通したときの色)」「滋味(味)」の4つに分けて審査され、その合計点で争われます。ここで最も高得点を獲得したお茶には名誉ある賞が授与され、市場関係者やお茶愛好家からの注目が集まるようになります。こうした受賞歴のあるお茶には高値がつけられ、高級茶として扱われるようになるのです。また、品評会で目覚ましい評価を得ていなくても、市場への流通量によって高値で取引されるお茶もあります。例えば栽培地域が限定される品種や、特殊な製造方法を用いて作られるお茶は、こだわりとともに希少性をうたい高値で取引されるケースがあります。また、茶道の家元や神社仏閣、高級旅館、高級レストランなどで扱われることで箔がつき、高級茶となることもあります。
高級なお茶の種類
お茶の種類によっては、どんな銘柄でも総じて高級とされるお茶もあります。玉露はその代表例です。覆下栽培(日光を遮断して栽培する方法)で育った茶葉を用いた玉露は、手間暇がかかり栽培量も限られているため値段も高くなります。その上、他のお茶と比べ風味が格段に良いことから、高級茶としてブランドが根付いています。
他には、抹茶も高級品です。玉露と同様の覆下栽培で作られた茶葉を碾茶にして、石臼を使って粉状に仕上げるという製造方法のため限られた量しか製造できません。そして、古くから茶道の文化の中で大事にされてきたという歴史的な背景も高級品として根付く理由です。
高級なお茶の産地
産地によっても、高級茶として扱われるブランドがあります。煎茶ではよく、日本を代表するお茶の三大産地として「色の静岡、香りの狭山、味の宇治」または、「色の静岡、香りの宇治、味の狭山」といういわれもされている通り、産地ごとに数々のお茶が販売されています。なかでも「宇治茶」は、茶道の文化とともに伝統が受け継がれ、また、煎茶を代表とする日本緑茶の発祥の地とされてきた銘品中の銘品。日本のお茶の中で歴史の深い宇治茶は、日本だけではなく世界中で愛されるブランドとして知られています。
数あるお茶の中でも高級品に分類されるお茶は、上記のように味や香り、流通量に勝る人気、伝統と歴史などその他にはない特徴があります。贈り物や自分へのご褒美の場面などではぜひ、茶葉を見比べたり、飲み比べてみたり、世界に誇る日本の高級緑茶の「違い」を感じてみてはいかがでしょうか。