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救急医に聞いた!65歳以上は必読!熱中症対策に欠かせないことって?
2025.07.01
熱中症は私には関係ない!そう思って油断していませんか?熱中症は誰もがなりうる上、重症になると命の危険にもさらされます。特に、65歳以上の高齢者は要注意!熱中症対策に注目されている「暑熱順化」について、救急医の三宅康史先生にお聞きしました!
[お話] 救急医 三宅 康史先生
1985年東京医科歯科大学医学部卒業。帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター(センター長)、帝京大学医学部救急医学講座(教授)、日本救急医学会専門医・指導医、評議員、熱中症に関する委員会元委員長など幅広く活躍中。『医療者のための熱中症対策 Q&A』(日本医事新報社)、『現場で使う!!熱中症ポケットマニュアル』(中外医学社)など熱中症に関する執筆本も多数。
1.高齢者は要注意!熱中症は誰もがなりうる症状です!
熱中症とは、高温多湿の環境に私たちのからだがついていけなくなることで生じる、さまざまな症状の総称です。めまいや立ちくらみ、顔のほてりやからだのだるさ、吐き気など、人によって症状はさまざまです。
平常時、人はからだを動かすと、体内で熱がつくられて体温が上昇します。そして、汗をかくこと(気化熱)や、からだの表面から空気中に熱を逃がすこと(熱放散)で、体温を調節しています。
しかし、「環境」「からだ」「行動」という熱中症を引き起こす主な要因が重なることなどにより体温調節がうまくできなくなると、からだに熱がたまって体温が上昇し、熱中症が引き起こされます。
私が働く救命救急センターには熱中症の重症患者が運ばれてきますが、気温が高くなると患者さんが増え、涼しくなると減るの繰り返しです。近年の猛暑で、毎年数百人〜数千人を超える方が熱中症で命を落としています。
中でも65歳以上の高齢者が圧倒的に多く、全年齢層のうち、約8割を占めています。運ばれた患者さんから「まさか自分がなるなんて……」という言葉をよく聞きます。熱中症は誰もがなる可能性のあるもの。熱中症を軽く考えたり、「自分は大丈夫」と思うのは、危険です。
ひとえに熱中症といっても、若年・壮年者と高齢者では種類が異なります。若年・壮年者は、暑い屋外で急激に発症することが多いのに対し、高齢者は温度に対するからだの感覚も鈍感になるため、多くは室内で発症します。そして、気付かぬうちに数日かけて悪化していくのが特徴です。
熱中症の始まりは、頭痛やからだのだるさなど、ほかの体調不良でもよくある症状がほとんど。そのため、「熱中症かも?」と気付かないのが通常です。夏は特に思い当たる理由がないのに体調が悪いと感じたら、まず熱中症を疑ってください。そして、部屋の室温を下げてみて、調子がよくなったら、熱中症だったといえます。
このように、気付きにくい熱中症は、予防することがなによりも重要です。そしてその予防法は、実は梅雨の前とあとで異なります。ここから詳しくお話しますので、参考にしていただき、今すぐ対策をすすめてください。
熱中症を引き起こす主な3要素
※環境省『熱中症環境保健マニュアル2018』より抜粋
熱中症の起こるしくみ
2.暑さに備えてからだを慣らす暑熱順化しよう!
暑熱順化とは、からだが暑さに慣れることをいいます。夏日が続くと、からだは次第に暑さに慣れて、耐性ができてきます。暑熱順化は、本来、日々の生活の中でできます。例えば、買い物に行ったり、お稽古事で外出したり、散歩に行ったり……活動的な人は、徐々に順化できるのです。
暑熱順化によるからだの変化
しかし、室内で過ごすことが多い人は、以下の4つのことを参考に、暑熱順化してみましょう。ポイントは、軽く汗をかくこと! 入浴、運動などで汗をかくことで、からだを暑さに慣れさせることができます。暑熱順化には、個人差もありますが、数日〜2週間ほどかかるので、本格的に暑くなる前から早めに実践し、備えましょう。
その1:入浴
頻度目安は2日に1回
※シャワーではなく、湯船に浸かること。
※入浴の前後には、しっかり水分補給を。
その2:ウォーキング
運動目安は30分
頻度目安は週5回
※ジョギングの場合、運動目安は15分。
その3:適度な運動
運動目安は30分
頻度目安は週5回〜毎日
※ストレッチや筋トレなど適度に汗をかくもの。
その4:サイクリング
運動目安は30分
頻度目安は週3回
※内容と時間はあくまで目安です。個人の体質・体調、その日の気温や室内環境に合せて無理のない範囲で行なってください。
※目安時間・日数は、日本気象協会推進『熱中症ゼロへ』プロジェクト公式サイト(https://www.netsuzero.jp)参照。
3.もう暑さとは戦わない!熱中症の予防策6選
例年、梅雨が明ける頃、7月下旬〜8月上旬が暑さのピークで、熱中症患者も急増します。
昔は、クーラーのない家も多く、窓を開けたり、うちわや扇風機で風を循環させたりして、暑さをしのぐことができました。そのため、高齢者の中には、「クーラーをつけるのは贅沢」「クーラーをつけるのは自分の我慢不足」などと思う方も多く、気付いたときには重い熱中症にかかってしまう方が後を絶ちません。
先ほどお話ししたように、梅雨前は暑さにからだを慣らすために、多少がんばってもよいでしょう。しかし、梅雨明け後は「もうがんばらない」ことが重要です。暑さと喧嘩せず、暑さを避けて、乗り切りましょう。今の日本の夏の暑さは昔とは違い、もう戦えないレベルなのだということを、しっかり認識してください。
本格的な暑さを迎える梅雨明けに、意識して行なってほしい予防策6つをご紹介します。自身のからだと対話しながら、熱中症にならない生活を心がけてください。
予防策❶衣服を工夫する
通気性・速乾性などにすぐれた素材の服を選んだり、帽子や日傘、サングラス、冷却グッズなどを活用しよう。
予防策❷休憩する
外出しなければならないときは、ときどき風通しのよい日陰やお店などに入って、無理をせずに、休もう。
予防策❸温度湿度計を使う
今、自分のいる場所の、気温や湿度を常に気にかけて、高くなりすぎないように注意しよう。室温28℃以下、湿度60%以下を目安に。
予防策❹部屋を涼しく保つ
暑い日は決して無理をせず、冷房や除湿機、扇風機、サーキュレーターなどを利用し、涼しく風通しのよい環境で過ごそう。
予防策❺水分を計画的に摂る
こまめに水分を補給しよう。特に高齢者は、のどの渇きを感じにくく、もともと体内水分量も少ないため、脱水になりやすい。気を付けよう。
予防策❻まわりの人と関わりを持つ
体調の変化があったときに助けを求めやすかったり、異変に気付いてもらえたり……。家族や近所の人、かかりつけ医など、普段から人と交流しよう。
4.まとめ
熱中症重症患者が運ばれてくる現場も多く担当する救急医の三宅康史先生のお話、いかがでしたでしょうか。熱中症は誰もがなる可能性がありますが、65歳以上の高齢者は特に注意が必要です。
梅雨の前は、暑熱順化でからだを暑さに慣らし、本格的に暑さが厳しくなる頃には、我慢は禁物!クーラーはつけて、温度湿度計で室温・湿度ともに確認しながら管理し、衣服を工夫したり、水分をこまめに摂ったりするなどしっかり対策しましょう。暑い夏も健やかな毎日をお過ごしください。