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知られざるお茶の豆知識!新茶シーズンの製茶工場が大忙しの理由とは?

2024.05.01

 
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茶畑の画像

今年も、待望の新茶シーズンがやってきました!日本随一の茶処・京都府宇治田原町では、茶農家が摘んだばかりの新芽を急いで工場に運び、すぐさまお茶に仕上げています。なぜ大急ぎで製茶する必要があるのかというと、お茶の「発酵」が大きく関わっています。知られざるお茶の豆知識と、新茶ができあがるまでの工程について解説します。

目次

1.今年もついに到来!1年に1度の新茶シーズン

茶摘みの画像

新茶シーズンの茶畑は、茶摘みに大忙しです。

ついに新茶の季節がやってきました。薫風の中、降り注ぐ太陽の光を受けて新芽はぐんぐん育ち、広大な茶畑は瑞々しい生命力にあふれています。

「新茶」。それは1年に1度だけの特別なお茶です。いろいろな食品が年中出回るようになり、季節感が希薄になった現代では、新茶という言葉には、1年間待ち焦がれた期待感が満ちています。まさに旬の贈り物であり、この時期にしか味わえない特別な楽しみです。そんな新茶を全国へお届けするため、茶畑は今、茶摘みや製茶に大忙しです。

2.お茶の味を左右する重要工程が「蒸し」!

蒸しの画像

お茶づくりの工程で、非常に重要になってくる「蒸し」の作業をご存じですか?

摘み取られた新芽は、新鮮さが命。そのため、休む間もなくすぐさま近くの製茶工場へと運ばれ、その日のうちに大急ぎで製茶されます。

どうしてそんなに急ぐ必要があるのかというと、その理由は茶葉の「発酵」を止めるためです。発酵という言葉にはからだによさそうなイメージもありますが、緑茶の風味を守るためには、この発酵を急いで止める必要があるのです。そして、茶葉の発酵を止めるための重要な工程が、蒸熱(じょうねつ)と呼ばれる「蒸し」の作業なのです。

❶新茶の味を守るためにもっとも大切なのは「発酵を止める」こと

発酵を止める画像

一般的な意味での「発酵」とは、乳酸菌などの微生物が食物を変化させることを指しますが、お茶の製造における「発酵」は意味が異なります。

茶葉にはポリフェノールオキシダーゼと呼ばれる酸化酵素が含まれており、摘み取られた直後から、時間が経つほどに酵素のはたらきによってカテキンなどの成分の酸化が進みます。お茶の製造において、この酸化のことを「発酵」と呼びます。茶葉の発酵が進むと、色が赤黒く変化し、味や香りも変わってしまいます。そのため、摘み取った茶葉をいち早く蒸して発酵を止め、新芽の鮮やかな緑色と豊かな風味を守る必要があるのです。蒸すことで、生葉特有の青臭みも取り除くことができます。

❷ご存じですか?「発酵」が緑茶と紅茶の違いなのです!

発酵させないお茶【緑茶】

緑茶のイラスト

煎茶や玉露など、緑の茶葉と鮮やかな緑色が特長。爽やかに香り、甘みや旨みがたっぷり。

発酵させたお茶【紅茶】

紅茶のイラスト

茶葉は赤黒く、お茶の色は赤みがかったオレンジ色。芳醇な香りと深い味わいが楽しめる。

緑茶にとって発酵は大敵ですが、見方を変えると、発酵によってさまざまなお茶を楽しめるのもまた事実です。名前の通り緑色の緑茶とはまったく異なる色や風味を持つ烏龍茶や紅茶も、実は緑茶と同じルーツの茶葉からつくられています。その違いを生むのが、発酵の度合いです。例えば紅茶は、最後まで茶葉の成分を酸化させ、褐色になるまで発酵させた全発酵茶。鮮やかなオレンジ色で、爽やかな緑茶とはまったく異なる、芳醇な香りが特長です。また、紅茶より早い段階で発酵を止める烏龍茶は、半発酵茶に分類されます。

発酵によってお茶の味わいは大きく変わります。そして緑茶に関しては「蒸しによって発酵を止める」というひと手間を惜しまないことで、おいしい新茶ができあがるのです!

3.製茶の工程は蒸しだけじゃない!他にも苦労の連続!!

揉みの画像

手で揉んでいた頃の感覚を再現した機械で葉を揉んで、形を整える。

新茶ができあがるまでには、「蒸し」だけでなく、たくさんの工程が必要になります。

たっぷりの蒸気をあてて蒸し上がった茶葉は、茶葉の形状を整えるため、「揉(も)み」の工程へと進みます。粗揉みの「粗揉(そじゅう)」、加熱せずに揉む「揉捻(じゅうねん)」、乾燥させながら揉む「中揉(ちゅうじゅう)」、揉みながら形を整える「精揉(せいじゅう)」という4段階にも及ぶ揉みが進んでいくうちに、茶葉の形がどんどん変わっていきます。

現在では全工程が機械化されていますが、蒸し具合や水分の状態、そして揉み加減など、各段階でお茶に精通した職人が、おいしさを引き出す最高のタイミングを瞬時に見極めながら製茶していきます。揉みの工程を経ることで、お湯を注げばすぐに緑の色素がにじみ出て、美しい色と豊かな旨みを楽しめるようになります。

乾燥の画像

茶葉の品質を長期間保持できるように、水分を飛ばす乾燥作業。

揉みの工程を終えた茶葉は、最後に十分乾燥させます。乾燥が足りないと変色したり、保存状態が悪くなったりしてしまうので、水分をしっかり取り除く必要があります。こうして新茶の原形となる「荒茶(あらちゃ)」ができあがります。

ここまでが一般的な茶農家の仕事です。その後、荒茶を仕入れた各茶問屋によって、茎や粉を選別し、形を整える「仕上げ加工」を施します。そして最後に熱風や遠赤外線などで茶葉を加熱する「火入れ」で香りを引き出し、銘柄ごとの味わいをつくるためお茶をブレンドする「合組(ごうぐみ)」を行ない、ようやく新茶の完成です。

4.まとめ

日本茶と急須の画像

摘みたての新芽を急いで蒸すことで「発酵」が止まり、緑茶の色や風味が保たれます。そのため、新茶時期の茶処では、摘んだ新芽を大急ぎで製茶しようと大忙しです。そんな苦労を乗り越えてつくられる、1年に1度の新茶の味わいは格別です。

一方で、元々は同じお茶の葉が発酵の進み具合によって紅茶や烏龍茶に分かれていくことは、意外と知られていない豆知識かもしれません。お茶について知れば知るほど、普段飲んでいるお茶の価値が高まり、さらにおいしく感じられそうです。


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※5月から6月にご注文いただくと、新茶でのお届けとなります。

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