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お茶づくりに欠かせない“こも”って何?その秘密を徹底解説!

2023.08.01

お茶づくりにはさまざまな道具が使われていますが、その中で、玉露や抹茶の栽培に欠かせないのが「こも」です。玉露や抹茶をつくる過程で、一体どのような役割を果たしているのでしょうか。その秘密をご紹介します!。

被覆栽培で育てられる玉露の写真

茶園に覆いをかけ遮光する「被覆(ひふく)栽培」で育てられる玉露の新芽。

目次

1.こもとは「緑茶の被覆栽培に使われる覆い」

こもの使用写真

茶園の上に掛けられている覆いが「こも」。

「こも」とは、玉露や抹茶を栽培する際に、太陽の光を遮るために昔から使われてきた、藁でできた覆いのことを言います。

おいしい緑茶を育てるためには、さまざまな栽培方法があります。一つは日光を浴びさせて育てる「露天(ろてん)栽培」、もう一つは太陽の光を遮る「被覆(ひふく)栽培」です。それぞれに特長があり、この栽培方法によってお茶の味わいが大きく変わります。

太陽の光を存分に浴びさせる「露天栽培」では、煎茶がつくられ、爽やかな香りが最大の特長です。

一方、光を遮る「被覆栽培」では、玉露やかぶせ茶、抹茶などがつくられます。茶園に覆いをかけ、遮光して育てることで、お茶の旨み成分であるテアニンが日光に当たってカテキンに変わるのを抑えて、茶葉にしっかり旨みを蓄えさせるのです。

被覆栽培は大変手間のかかる方法ですが、露天栽培にはない豊かな甘みや旨みが生まれます。その被覆のために、こもは使われてきたのです。

2.こもの下で育つお茶のおいしさ!

こもの写真

こもの1枚の大きさは、だいたい幅1メートル、長さ5メートルほどです。その大きさのこもを茶園全体に掛けるとなると数百枚は必要で、大変な手間と労力がかかりますが、藁のこもは遮光にすぐれ、茶園に木漏れ日のような光をもたらします。この光が茶の樹には最もよいとされ、藁のこもから漏れる光は最適なのです。

さらに、こもは茶の樹の大敵である霜を防いで最適な温湿度を保ちます。このように、こもの下で育てられた茶葉は甘みが強く、香りよく、ふわりと藁のような芳香を感じることもあります。

寒冷紗(かんれいしゃ)というナイロンのシートが普及してからは、こもを使う茶農家は激減してしまいましたが、それでもこもは、おいしいお茶づくりのために欠かせないものなのです。

玉露の写真

大変な手間をかけてつくられた玉露。

3.こもの原料とつくり方とは?こも編みの伝統の技

こもを編む写真

こもづくりにはもち米の藁が使われます。もち米の藁は長く、しなやかなので、こもを編むのに適しています。秋にもち米の稲穂を刈り取った後、天日干しにしたものを使います。自給自足の中で藁までをもむだにしない、昔の人の深い知恵を感じさせます。

藁ばさを使用した天日干し写真

藁ばさという土台に掛けて、もち米の藁を天日干しする。長く、柔らかで編むのに適している。

こもを編む際には、「こやしまた」という道具台が用いられます。藁を7〜8本、重ねては、このこやしまたにのせ、「ツチノコ」と呼ばれる重りを前後に交差させて締め、また藁をのせて…という作業を続けていきます。こもづくりで難しいのは、4箇所の重りを交差させて、藁の束を締める作業です。

ゆる過ぎず、締めすぎず、均等に締めていくのが難しい作業ですが、熟練の職人が手を動かすごとに少しずつ、こもが編み上がっていきます。

熟練の職人が毎日作業場に座って手を動かし続けて、1日で完成するこもは2枚ほど。それほどまでの労力をかけて、こもは生み出されます。

こもを編む写真

藁を7~8本ほど束ねて、「こやしまた」という台の印のところに合せてのせ、4箇所に掛けられた重り「ツチノコ」を交差させて、きゅっと締める。この締め加減が難しく熟練の技を要する。ひと束ごとにしっかりと締めて、こもが編み上がっていく。

4.おわりに

お茶の写真

      

いかがでしたか。こもはおいしいお茶をつくるために欠かせないもので、熟練の職人の丁寧な手作業によって生み出されています。おいしいお茶が楽しめるのは、いろいろな人の技があってこそ。そのありがたみを感じながら、お茶時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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