トップ > 102 緑茶って水出しできる?健康に期待の成分が抽出される冷茶の淹れ方

緑茶って水出しできる?健康に期待の成分が抽出される冷茶の淹れ方

2023.04.01

緑茶を注いだグラス2個の写真

あたたかい飲み物のイメージが強い緑茶ですが、水出しもできることをご存知ですか。冷たいお茶ならではの健康成分も。いつものお茶をもっと手軽においしく楽しめる冷たいお茶の淹れ方の3つの方法をご紹介します。

1.どんなお茶でも水出しできる

お茶の種類を浮かべる女性の写真

ほうじ茶や玄米茶のようなあたたかいイメージのあるお茶も水出しするといつもと違った味わいに。

暑い季節になるとご自宅でも常備しておきたい「水出し」のお茶。でも「水出し専用」と書かれていないものは、水出しできないの?と不安に思う方も多いかもしれません。

結論から言うと、日本茶は「水出し専用」と書かれていない茶葉やティーバッグでも水出しのお茶をつくることができます。煎茶はもちろんですが、ほうじ茶や玄米茶でも可能です。

なお、「水出し専用」と書かれているお茶は、より簡単に短い時間で水出しのお茶をつくることができるように茶葉を小さくカットしていたり特別なティーバッグを使っていたりしているのです。

とはいえ、日本茶には適温があります。「熱湯専用」や「水出し専用」としっかり書かれているものは、異なる淹れ方では旨みがおいしく出ないことも。記載を確認してみてください。

2.水出し煎茶には健康効果も

健康的な女性の写真

ヘルシーで素敵なあの人がいつも飲んでいる飲み物は、実は日本茶かもしれません。

毎日忙しい人にこそおすすめなのが水出しのお茶です。日本茶には、さまざまな栄養成分が含まれており、水出しで淹れることでその成分を抽出することができます。

水出しのお茶に含まれる栄養成分と、ヘルシーに過ごせる効果をご紹介します。

カフェインの抽出を抑えられる

お茶に含まれる成分の1つ「カフェイン」。カフェインは中枢神経を刺激する働きがあるとされている成分で、朝の目覚めや集中したいときには最適です。ですが、人によっては夜眠りにつきにくくなったり腹痛になったりする場合も。また、妊婦さんや小さいお子さんは控えた方がよいとされています。

水出しでお茶を淹れると、そんなカフェインの抽出を抑えることができます。カフェインは湯温が高いと多く抽出され、低温で淹れるとあまり抽出されないのです。同じ茶葉でもお湯の温度でカフェインの抽出量は変わってきます。

テアニンのリラックス効果が生まれる

笑顔でお茶を飲む女性の写真

お茶の香りを嗅ぐと心がやすらぎリラックスできます。

お茶の豊かな香りに、ほっとひと息ついた経験はありませんか。これはお茶に含まれる「テアニン」という成分の働きによるものです。

テアニンとは、アミノ酸の一種でお茶の甘みや旨みを感じる成分です。テアニンはリラックスに期待できると注目を集めています。腸管から吸収され、血液で脳にまで運搬される数少ない成分だといわれています。

抽出する湯温が高ければカフェインのほうが多く抽出されてテアニンを感じにくくなります。湯温が低ければより多く抽出される成分なのです。

カテキンで健康状態を維持

季節の変わり目は免疫力が低下し風邪を引きやすいものです。お茶に含まれる「カテキン」は健康状態を維持するのに効果的と注目されています。

「カテキン」とはお茶に含まれる成分の1つで、主要可溶成分のうち約85%を占めています。茶葉が酸化や外敵から身を守るために蓄えるポリフェノールの一種です。

カテキンは湯温が高い方がより抽出され、水出しではあまり多く抽出されないとされてきましたが、4つあるカテキン成分の中で渋みの少ない「エピガロカテキン」は低温でもしっかり抽出されることが最近の研究で発見されました。

美容の味方・ビタミンCもたっぷり

グラス入緑茶とレモンのイラスト

煎茶に含まれるビタミンCはレモンの約3〜5倍といわれています。

美肌などの美容と健康に欠かせない「ビタミンC」が日本茶には豊富ということをご存知でしょうか。

煎茶に含まれるビタミンCは抽出したお茶100ccあたりなんと約6mgもあるといわれています。なお、お茶でも発酵させてつくる烏龍茶にはごくわずか、紅茶にはビタミンCは含まれていません。これはビタミンCが酸化に弱いためです。

一般的にビタミンCは水に溶けやすく熱に弱い成分です。ですが、緑茶に含まれるビタミンCは、カテキンがビタミンCを保ってくれるので比較的壊れにくいです。また、水出しすることでさらに熱を加えずにしっかりと抽出することができます。

3.水出し・氷出しでお茶をおいしく淹れる3つの方法

水出し・氷出し・急冷のイラスト

冷たいお茶のつくり方は3つ。その日の気分や状況でつくり方を選んでみては。

冷たいお茶である「冷茶」には3つの淹れ方があります。水で抽出する「水出し」、氷の溶け出す水で淹れる「氷出し」、お湯で抽出したお茶を氷で一気に冷やす「急冷」の3つの方法です。

それぞれの失敗知らずの淹れ方と特長をご紹介します。

❶水出し

ガラスポットに入れた茶葉に水を注ぐ写真

お茶パックを使う場合は茶葉が動きやすいように大きめのものを使用しましょう。フィルター付きのボトルがおすすめです。

【用意するもの】

  • ・水 1リットル
  • ・茶葉 15〜20g
  • ・容器(ボトル、冷水ポットなど)

【つくり方】

  1. 容器に茶葉を入れ、水を注ぎます。
  2. 冷蔵庫に入れて、約6時間ほど待てばできあがり。

文字通り、水でお茶を抽出する方法です。夜寝る前につくれば、翌朝にはおいしい冷茶ができています。爽やかで旨みのしっかりとした水出しの冷茶のつくり方はとてもシンプルなのでぜひ試してみてください!

❷氷出し

ガラス急須に入れた茶葉の上に氷の写真

氷の溶け出すカランという音を聞きながら待つのも楽しいものです。

【用意するもの】

  • ・茶葉 4〜8g
  • ・氷 適量
  • ・ポットや急須

【つくり方】

  1. 容器に茶葉を入れ、その上に敷き詰めるように氷を入れる。
  2. 氷が溶けるのを待てば完成。

氷の溶け出す水で抽出する氷出しは時間がかかりますが、もっとも温度の低い淹れ方になるのでお茶の甘みを感じられます。いつものお茶が高級なお茶のようになります!

❸急冷

氷入グラスにお茶を注ぐ写真

あたたかいお茶で淹れたときのお茶本来の渋みを活かしつつ冷たいお茶が味わえるのが急冷のよいところです。

【用意するもの】

  • ・茶葉 12g
  • ・お湯(80度)150ml
  • ・氷 適量
  • ・急須と耐熱カップ

【つくり方】

  1. 急須に茶葉とお湯を注ぎ、約1分待ってお茶を抽出。
  2. 耐熱カップに氷をたっぷり入れて、その上からのお茶を注ぐと完成。

もっとも早く冷たいお茶を楽しめる方法です。通常、あたたかいお茶を淹れるときの茶葉の量は約8gですが、急冷の場合氷で薄まるので濃いめに淹れるのがポイントです。

4.水出しにおすすめのお茶

基本的に日本茶はどれも水出しをすることができます。ですがその中でも特におすすめのお茶の種類をご紹介します。

実はとても手軽で簡単な水出しのお茶で毎日をヘルシーにお過ごしください。

■水出しの旨み・甘みを味わうなら、玉露

氷出し急須と玉露入りグラスの俯瞰写真

氷出しにすれば甘みがより一層際立ちます。

水出しで淹れたお茶の味わいはその旨みと甘みです。これは緑茶に含まれる成分のうち、甘みを感じるテアニンが、湯温が低い方がより多く抽出されるためです。テアニンは玉露やかぶせ茶などの高級なお茶に多く含まれています。

そのため、玉露を水出しで淹れるとよりお茶の旨みと甘みを味わうことができます。さらに氷出しにすればより甘さが際立ち、至福の一杯になります。

■カテキン・ビタミンCを期待するなら、煎茶

ガラスの急須とグラスに入った煎茶の写真

爽やかで癒し効果もある香りと栄養成分が期待できる煎茶の水出し。

緑茶に含まれる栄養成分を水出しのお茶でしっかり摂るなら煎茶がよいでしょう。

お茶に含まれる栄養成分のうち、4つあるカテキンの1つであるエピガロカテキンとビタミンCをより多く含む種類は煎茶です。熱に弱いビタミンCを安定して摂るには水出しで淹れるとよいでしょう。

暑い季節の水分補給に水出しの煎茶を用いれば、おいしくて健康にも期待できるのでおすすめです。

■気になる糖に注目の成分を摂るなら、秋冬番茶

グラスに入った秋冬番茶2個の写真

秋冬番茶は水出し専用。ポリサッカライドは熱に弱いのでお湯は厳禁です。

甘いものがやめられない、お腹周りが気になる、という方におすすめなのは、秋冬番茶です。

こちらは水出し専用のお茶です。糖に注目の成分「ポリサッカライド」を煎茶の約4.5倍も含みます。夏の日差しをしっかり浴びた茶葉で健康成分もたっぷり。毎日のお茶で健康に期待できる一杯です。

5.まとめ

あたたかいイメージの強いお茶ですが、実はどんなお茶の種類でも水出しで淹れることができます。水出ししたお茶には、カフェインを抑えられたり旨み成分のテアニンが多く抽出されたりします。健康維持に期待のカテキンやビタミンCも含まれています。

冷たいお茶には3つのつくり方があります。水で淹れる「水出し」、氷でじっくり抽出する「氷出し」、熱いお茶を急速に冷やす「急冷」です。

どんなお茶でも水出しできますが、よりお茶の旨みや栄養成分を期待するなら、玉露・煎茶・秋冬番茶がおすすめです。

水出しならではの栄養成分で毎日をヘルシーに過ごしましょう。


この記事で取り上げた商品