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粉茶と茎茶ってどんなお茶?部位で変わる日本茶の種類の違いをご紹介

2024.03.01

粉茶と茎茶の画像

種類豊富な日本茶の中で、煎茶などの製茶過程で選別される「粉茶」や「茎茶」は出物と呼ばれ、わずかしかとれない希少品です。お寿司屋さんの「あがり」で知られる粉茶と別名「雁ヶ音(かりがね)」と呼ばれる茎茶が生まれる過程や特徴・違いをご紹介します。

1.「荒茶」の選別から生まれる「出物」とは?

茶葉を手で掬っている所の画像

皆さんは「荒茶(あらちゃ)」という言葉をご存知ですか?

荒茶とは緑茶の原形です。お茶の新芽は、茶摘みの季節に摘んだその瞬間から発酵が始まってしまうので、葉の発酵を止める必要があります。そのためすぐにたっぷりの蒸気を当てて「蒸す」工程、茶葉の形状を整える「揉み」の工程、水分をしっかり取り除く「乾燥」の工程を経て製茶していきます。こうしてできたものが荒茶と呼ばれるのです。

この荒茶を選別する過程で出てきたものを「出物(でもの)」と呼び、欠けた葉の細かい部分が「粉茶」に、茎の部分が「茎茶」になります。異なる部位から出てくる粉茶や茎茶は、荒茶からほんのわずかしかとれないとても希少なお茶なのです。

荒茶は、茎や木軸、ダマが混ざっていたり、形が大小不揃いだったりする状態です。そのため、二次加工を施し、製品に仕上げていく必要があります。サイズが違う数種類の網目を通してふるいにかけたり、切断して形を整えたりして、葉のサイズごとに選別します。この選別で形の揃った葉だけを集めたお茶を「本茶」と呼びます。本茶は一般的な緑茶のことです。

本茶と出物の分類の画像

2.お寿司屋さんの「あがり」で馴染みの「粉茶」

お寿司と粉茶の画像

❶葉が砕けて細かくなった茶葉

「粉茶」といえば、お寿司屋さんで出てくる「あがり」として馴染み深いお茶です。濃厚でしっかりとした味わいが特徴で、魚介類の持つ生臭さを消し、口の中をさっぱりさせてくれます。

粉茶の茶葉は、その名の通り茶の葉が砕けて細かく粉状になっています。茶葉の表面積が広いため抽出されやすく、急須や茶漉しに入れて熱湯でさっと短時間で淹れることができます。また茶葉が細かいので、お茶の粒子が沈殿しやすく、水色(すいしょく)はややにごった濃い深緑色をしています。

❷粉茶と粉末茶はまったくの別物!

粉茶はよく粉末茶と混同されることがありますが、まったくの別物です。粉茶は茶葉の砕けた部分を選別したお茶ですが、粉末茶は煎茶などの茶葉をそのまま微粒に粉砕したものです。淹れ方も異なり、粉茶は急須で抽出して淹れますが、粉末茶はそのままお湯に溶かして飲むお茶です。

3.別名「雁ケ音」とも呼ばれる「茎茶」

茎茶の茶柱の画像

❶茎の部分を集めた棒状の茶葉

「茎茶」は、新芽の茎の部分を集めたお茶です。茎茶の茶葉は種類にもよりますが、黄緑がかった色とツンツンとした棒状で、あっさりとした味わいです。玉露などの高級茶から選別された茎茶は「雁ケ音」の別名でも知られています。

茎茶の茶葉をぬるめのお湯でじっくり時間をかけて抽出すると、淡く透明感のある黄緑色の水色(すいしょく)が現れます。味わいは渋みが少なくすっきりしていて、ほんのり甘い清涼感があるのが特徴です。

❷茶柱が立つ確率は約18%!

よく「茶柱が立つと縁起がよい」と言いますが、茶柱とはこの茎のことを指します。近年の研究で、湯呑に茶葉と熱湯を一緒に注いでから、30分間のうちに茶柱が立つ確率は約18%と判明しました。希少なお茶が偶然にも湯呑の中で立つと、確かによいことが起こりそうな予感がします。

4.まとめ

茶畑で摘み取った新芽は「蒸す」「揉む」「乾燥」という工程を経て緑茶の原形である「荒茶」ができあがり、荒茶を選別する過程で「粉茶」と「茎茶」がわずかに得られます。お寿司屋さんのあがりで知られる粉茶は抽出がよく、旨みもお茶の色もとても濃厚で、しっかりとした味わいが魅力です。「雁ヶ音」の別名で知られる茎茶は、清々しい香りが持ち味で、スッキリとしたあと味のよさが際立ちます。

ほんのわずかしかとれない希少な粉茶と茎茶を、お茶時間にぜひ味わってみてはいかがでしょうか。


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