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お正月の福袋の歴史とは?由来は七福神にある?5つの豆知識をご紹介

2024.01.01

お正月の初売りといえば福袋。初売りや福袋はいつから始まったのかご存じでしょうか?その歴史をさかのぼると、なんと江戸時代にありました!さらに福袋の原型は七福神にあるという説も。諸説ある福袋の由来や中身のトレンドについて、5つの豆知識をご紹介します。

こたつに入って福袋を囲む家族の画像

1.そもそも福袋って?江戸時代に始まった初売りの歴史

福袋と鏡餅、門松の画像

年が替わって最初に物を売り出す「初売り」。多くは1月2日に始まり、新春セールが行なわれます。そして、初売りの目玉といえば「福袋」。お店ごとに、いろいろな商品を詰めて封をして販売する袋やその販売形態を指します。

実は、初売りが200年ほど前から始まり、今では伝統行事になっている地域があるんです。

それが宮城県仙台市。ここで開催される「仙台初売り」は、仙台藩の時代から続く伝統的なお正月行事で、毎年仙台市中心部の商店街で盛大に行なわれます。その歴史は古く、藩政時代の文化文政年間(1804~1830頃)に発行された『仙台年中行事』という書物に「正月二日の朝早くから店の格子戸を叩いて初売り初買い……」という記述が残っているほど。当時すでに仙台藩だけでなく、広く藩外にも知られた行事であったことがわかります。

2.福袋の原型は大黒天が持つ大きな袋にあった!

大黒天の画像

福袋の由来は諸説ありますが、有力な説の一つが、七福神の一柱である大黒天(だいこくてん)が肩から背負っている袋をモデルとするものです。

七福神とは、大黒天、毘沙門天(びしゃもんてん)、恵比寿天(えびすてん)、寿老人(じゅろうじん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、弁財天(べんざいてん)、布袋尊(ほていそん)を指し、中でも大黒天(通称=大黒様)は、米俵の上に身を乗せ、打出の小槌と袋を携えた、福を司る神様として知られています。肩に担いでいる大きな袋の中には「七宝(しっぽう)」、つまり、人間にとって最も大切な宝物である寿命、人望、清麗(清らかで麗しいこと)、大量(度量の広いこと)、威光、裕福、愛嬌が詰まっているとされています。それにあやかって「福袋」が生まれたのだとか。一年の商売初めに幸福を運んでくれるように、という意味も込められています。

3.福袋が始まったのは江戸時代!

東都大伝馬街繁栄之図の画像

歌川広重(初代)画 「東都大伝馬街繁栄之図」
国立国会図書館デジタルコレクション

江戸時代、大伝馬町には「大伝馬町木綿問屋仲間」と呼ばれる、木綿販売の独占権を持った組合がありました。越後屋、白木屋、松坂屋といった有名呉服店のほとんどがこの周辺に店を構えていました。

売り物としての福袋の元になったのは、江戸時代に販売されていた「恵比寿袋」とする説があります。

江戸時代、日本橋の有名な呉服店であった越後屋(現在の三越)は、冬の衣替えの頃(11月1日~3日)、冬物の売り出しと同時に一年分の着物の裁ち余りの生地を袋に入れて1分(ぶ)(約25,000円)で販売しました。これがたちまち江戸市中の評判となって「恵比寿袋」と呼ばれるようになり、ほかの呉服店も続々と販売するようになったのだとか。たとえば大丸呉服店(現在の大丸)には、お正月の初売りなどに、同様に着物の端切れを入れた袋(金の帯が入っているものが当たり)を売っていたことが記録に残っています。

また、明治時代になると、さまざまな福袋販売の広告が新聞に掲載されるようになります。明治40年(1907)には、鶴屋呉服店(現在の松屋)が福袋の原型を販売(中身と価格は不明)。そして明治44年(1911)には、いとう呉服店(現在の松坂屋)が「多可良函(たからばこ)」を販売し始めます。5円相当の品物が入ったものを50銭で買えるとあって、行列ができるほどの人気ぶりだったようです。

残念ながら江戸時代の恵比寿袋の販売が始まった正確な時期はわかりませんが、かなり古くから福袋の原型は存在し、私たちに新年の喜びを運んでくれていたことに驚きます。

4.最近の福袋のトレンドは「中身見せ」

江戸時代の呉服店から始まった福袋。昭和に入ると、全国の百貨店で福袋が販売されるようになります。戦後は福袋商戦がいっそう激しくなり、バブル期にはピカソの絵画が入った福袋など、高額な福袋が次々と販売されました。

これまでの福袋は、中身がわからず、ちょっとした運試しの要素がありました。ですが、最近では中身がわかる福袋がトレンドになっています。「損はしたくない」という人が増えたからかもしれません。中身を見て選ぶことで、サイズが合ないとか、思っていたものと違っていたといった失敗のないお買物ができるようになりました。

5.お茶や車など、ユニークな福袋がたくさん!

急須とお茶の画像

最近では、洋服以外にもさまざまな福袋が登場しています。たとえば、新品が大幅値引になる車や家電、寝具の福袋、旅行などの体験型の福袋や無料で楽しめる図書館の「本の福袋」など、ユニークなものがたくさんあります。

そしてもちろん、お茶にも福袋があるんです。宇治田原製茶場では、銘柄とボリュームの異なる2種類の福袋を販売しています。

6.まとめ

七福神の大黒様が持つ袋を原型とし、江戸時代から販売されている長い歴史を持つ福袋。初売りや福袋は、もはや日本の文化の一つともいえるでしょう。新年に福袋を開けるときの、あのワクワクとした気持ちは、何度味わってもうれしいものです。晴れやかな新年のスタートに福袋があると、気持ちがいっそう華やかになることでしょう。

今年は、ぜひ、バラエティー豊かなお茶がたっぷり詰まった福袋で、健やかなお茶時間を楽しんでみませんか?


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