煎茶の淹れ方|日本茶インストラクター直伝のポイント
2023.09.01
会社でのお茶当番やお客様へのお茶出し。頼まれたけど、いざやってみると「あれっ、このやり方であってるよね?」と不安になっていませんか?
公益社団法人京都府茶業会議所が運営する宇治茶道場「匠の館」の日本茶インストラクター・村田範子さんに、おいしい煎茶の淹れ方を教えていただきました。
1.煎茶をおいしく淹れる4つのポイント
煎茶をおいしく淹れるには、茶葉とお湯の量、お湯の温度、抽出時間の4つに気を配ることがポイントです。
特に気を配りたいのがお湯の温度。ぬるめのお湯で淹れれば、まったりと旨みのある味に、熱めのお湯で淹れれば、すっきりと渋みのある味わいに淹れることができます。
お湯の温度だけでなく、ほかの3つのポイントを変化させることでもさまざまな味が引き出せます。
まずは基本の淹れ方を知り、慣れてきたら自分好みの味に淹れ方をアレンジしてみてください。
2.煎茶のおいしい淹れ方
煎茶を淹れる際におさえるポイントはたったの4つ!失敗しない煎茶の淹れ方をマスターしましょう!
用意するもの
- 急須
- 湯呑
- 湯冷まし(あれば)
- 茶葉(一人前3g〜5g)
- お湯(一人前60ml)
❶茶葉を急須に入れる
一人前約3gの茶葉を急須に入れます。目安はティースプーンが軽く山盛りになる程度です。
❷沸騰させたお湯を冷ます
一煎目は70℃ぐらいに冷まします。
湯を別の器に移す毎に10℃温度が下がるといわれるので、沸騰したお湯なら、3回ほど移し替えて適温になるまで冷まします。
❸お湯を注いで待つ
適温になったお湯を注ぎ、蓋をして待つことおよそ1分。茶葉の旨みが溶け出します。
❹湯呑に注ぐ
最後の一滴まで注ぎきることがポイントです。この最後の一滴に、お茶の旨みが凝縮されています。
3.煎茶は二度、三度と楽しめます!
一煎目のあとも、二度三度とお湯を注いでお茶を淹れることができます。二煎目は約80度のお湯を入れたらひと呼吸(10秒ほど)おいて注ぎます。三煎目はさらに湯温の高い、約90度のお湯を入れ、すぐに注ぎます。待つ時間はほとんどいりません。
お茶に含まれる成分は、抽出されるタイミングが違うため、煎を重ねると味が変化していき、風味の違いが楽しめます。一煎目は、甘み成分のテアニンがよく出たまったりとした甘み、二煎目はさわやかな風味、三煎目では渋みのある味わいを楽しめます。
4.まとめ
自分でくつろぐための一杯、お客様のために淹れた一杯。丁寧に淹れたお茶は、淹れた人の心の余裕を感じさせます。
「最近では、喫茶店でコーヒーを味わうように、日常茶飯のお茶ではなく、特別なお茶として宇治茶を飲む方もいます。そんなふうに、日常の中でもお気に入りのお茶セットを用意して、一時(いっとき)でも場所を変えてゆっくりと楽しむ。10分でも15分でもそんな時間を過ごしてください」と村田さん。
一杯のお茶を急須で淹れて、いただく。それだけで、心が豊かになるひとときです。
まずは煎茶の基本となる淹れ方を知り、お茶時間を楽しんでください。