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京都の穴場庭園・對龍山荘とは?南禅寺エリアで静かに楽しむ名庭をご紹介

2026.09.01

對龍山荘の画像

京都の人気観光エリア、東山地区の南禅寺界隈に、のんびりと静かに名庭を散策できる對龍山荘(たいりゅうさんそう)があります。2024年から一般公開が開始された、知る人ぞ知る穴場の庭園は、国の名勝にも指定された、七代目小川治兵衛による見事な池泉回遊式庭園です。

1.七代目小川治兵衛の趣向あふれる美しい秘蔵の庭とは?

さまざまな趣向が凝らされた對龍山荘は、見事な建築と日本庭園からなる名勝です。南禅寺エリアにある「知る人ぞ知る」存在でしたが、2024年11月に一般公開を始め、新たな名所として話題を集めています。

對龍山荘の始まりは、近代化の波が激しい明治時代。かつては南禅寺の寺領であり、塔頭が隣接する付近一帯が別荘地として再開発され、對龍山荘も明治29〜32年(1896〜1899)にかけて実業家・伊集院兼常(いじゅういんかねつね)の別荘として造営されました。北側の池を中心とする象徴的かつ雄大な景色を持つ別荘庭園の誕生です。

その後、呉服商・市田弥一郎の所有の下で、近代日本庭園の先駆者とされる作庭家・七代目小川治兵衛が改修し、現在の景観の基礎ができあがりました。琵琶湖疏水開通前では不可能であった、年間を通じて一定した水量を利用した豊かな流れを取り入れ、池だけでなく小川や滝などを配し、みずみずしく躍動的な風景を描きだしています。

約1800坪にも及ぶ広大な庭を実際に歩いてみれば、東山を借景とした大きな池と滝の流れの風景から始まり、進むごとに変化する庭の風情が楽しめます。涼やかな水音をおともに、小径をゆっくりと歩けば、水車小屋のある田園風景、さわやかな芝生の広場、光が反射してきらめく小川、静謐(せいひつ)な茶庭……。それらが水の流れを中心として、まるでひとつの物語を描きだしているようです。1時間ほどの見学で、里山を旅した気分に浸れます。

2.對龍山荘の見逃せない3つの見どころ

❶美しい眺望を生む東山の借景

東山の借景の画像

庭の奥には東山連峰が連なり、奥行きのある雄大さを感じることができる。

庭に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、雄大な山並みと大きな池です。空が高く、まるで広大な別世界に降り立ったように感じます。そう見せている施主の趣向のひとつが、「借景」です。山に囲まれた京都は、背後にある山や木々を風景の一部として借りる技法が取り入れられてきました。對龍山荘庭園も東山連峰を借景とした、壮大で広々とした印象の景色が広がります。背後に広がる東山の景観が一体となった雄大な景色は、しばし佇んで見入ってしまう美しさです。

❷涼やかな水音が響く池泉回遊式庭園

池泉回遊式庭園の画像

豊かな水を湛(たた)えた池の奥につくられた滝。絶えず落ちる水が流れ込み、静止画的な景色ではなく、「流れ」のある動的な景色を演出している。

明治維新後、京都では琵琶湖疏水が開通しました。「水と石の魔術師」と呼ばれた7代目小川治兵衛は、琵琶湖から引いた水を自由自在に扱い、池を中心とした「流れのある庭」を手がけます。

對龍山荘庭園は、水の豊かさを特に感じられる庭園です。優雅に鯉が泳ぐ池、迫力のある滝、光が反射して輝く小川の流れ、そして、涼やかな水音。実は、建物のすぐ下に音響装置としての滝をつくり、座敷からも、臨場感のある水の「流れ」を感じる工夫がされています。

滝の画像

建物の中からは見えない位置に滝があり、座敷にも水音が響く仕掛けがされている。

❸自然と暮らしがひとつになった庭屋一如

聚遠亭から見た景色の画像

聚遠亭(じゅおんてい)から見た景色。なだらかに傾斜する地を小川がさりげなく流れる、のどかな風景が広がる。

「庭屋一如(ていおくいちにょ)」とは、屋内でも広がりを感じ、庭と建物が美しく調和しているさまを表します。先に紹介した座敷で水を感じる仕掛けもそのひとつです。對龍山荘は大きく、北側にある書院造りの對龍台と、南側の聚遠亭に分けられます。池の眺めと水の仕掛けがある對龍台と同じく、聚遠亭も「庭屋一如」を感じられます。

1階の座敷に座ると、目の前には小川が流れ、まるでせせらぎが座敷に流れ込んでくるかのような錯覚を感じ、自然と一体となったような心地に包まれます。

3.ほかにも魅力がたくさん!庭園案内

借景、水の流れ、建物。庭を歩けば、施主の趣向を感じる景色があります。計算されつくした美しい景色を楽しんでください。

庭内地図の画像

❶對龍台からの景色

對龍台からの景色の画像

東山連峰を借景とした、庭と山々が織りなす雄大な景色が広がる。

❷2階の丸窓からの景色

2階の丸窓からの景色の画像

丸窓に縁取られた先に、緑の美しいのどかな風景が広がる。

❸腰掛待合からの景色

腰掛待合からの景色の画像

見事な2本の松が伸びる。夜は松の間に月が浮かぶ景色を楽しむ仕掛けとなっている。

❹花菖蒲園の景色

花菖蒲園の景色の画像

初夏はショウブが見事に咲く。桜や藤など、四季折々の花が楽しめる。

❺庭の南側からの景色

庭の南側からの景色の画像

庭の南側から聚遠亭を望む。丸窓がアクセントになった端正な雰囲気がある。

❻茶庭の景色

茶庭の景色の画像

水の流れに導かれて庭を進むと、水の湧き出るつくばいのある茶庭が現れる。

對龍山荘

【住所】京都市左京区南禅寺福地町22
【電話】075-771-1587
【開園時間】10:00〜16:00 ※受付は15:30まで
【料金】一般3,000円 大学生2,000円 中学・高校生1,500円 小学生1,000円 
※開園日・開園時間・料金は変更になる場合がございます。詳しくはHPでご確認ください。
【HP】 https://tairyu-sanso.jp

4.まとめ

京都で名庭をゆっくり散策できる對龍山荘。人気の観光エリア、南禅寺界隈にありながら、知る人ぞ知る穴場であり、静かにのんびりと名庭を楽しむことができます。国の名勝にも指定された、七代目小川治兵衛による見事な池泉回遊式庭園は、見どころも多く、京都に来たら立ち寄っていただきたい、おすすめの名所です。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。


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