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秋にも新茶があるって本当?もう一つの旬のお茶、蔵出し茶の秘密に迫る!

2024.10.01

箕に載った茶葉と、湯呑にお茶を注いでいるところの画像

お茶の旬と聞けば、5月の新茶を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、お茶がおいしいのは新茶の季節だけではありません。実はひと夏を越えた秋もまた違ったおいしさが味わえる、もう一つのお茶の旬なのです。秋にお茶がおいしくなる秘密を解説します。

1.秋に旬を迎える「蔵出し茶」ってどんなお茶?

茶箱の中に入った茶葉の画像

「蔵出し茶」とは、秋になると旨みがいっそう深まり、新茶とはひと味違うおいしさが楽しめるお茶のことです。

お茶は、4月下旬頃から5月上旬の新茶時期に1年分の茶葉が摘み取られ、製茶されます。そのまますぐに出荷される新茶は、若々しく、爽やかな香りと生命力にあふれた味わいが楽しめます。

その一方で、ほとんどの茶葉は、翌年の新茶の時期まで蔵で保存されます。ひと夏の間、低温の蔵の中で貯蔵し、じっくりと熟成を促したお茶こそが蔵出し茶なのです。

2.ひと夏の保存が茶葉を熟成させる

黒の皿に入った茶葉の画像

蔵出し茶の味わいのポイントとなるのが、茶葉の「熟成」です。ひと夏の間、低温の蔵の中で貯蔵して熟成を促すことで、秋ならではのおいしさが引き出されます。茶葉の熟成を促す上で、特に重要になってくるのが、温度と湿度の管理です。長年のお茶づくりの経験に基づき、細心の注意を払いながら、茶葉にとって最適な環境を整えます。そうすることで、時間の経過とともに、じっくりと熟成が進んでいくのです。

そして迎える秋、摘み取りから約3ヵ月間、蔵の中で入念に管理し、熟成させることで、カドが取れて旨みが茶葉全体に行き渡ります。摘み取り直後にはなかったまろやかさが増し、豊かな熟味のお茶ができあがるのです。

なぜ、このひと夏の熟成が茶葉の旨みを引き出すのか、それはいまだ科学でも解明されていません。自然の神秘であり、自然の恩恵といえるでしょう。こうして熟味が増したお茶が、蔵から出荷されていきます。

3.ポイントはお湯の温度!蔵出し茶をおいしく味わおう

この秋に旬を迎えた蔵出し茶をおいしく味わえる淹れ方をご紹介します。お湯の温度に気をつけて、淹れてみてください。

❶急須・湯呑を温め、茶葉を入れる

急須に茶葉を入れているところの画像

まず、沸騰させたお湯を急須に注ぎ、急須を温めます。そのお湯を湯呑に注ぎ、湯呑も温めます。そして温めた急須に2人分で約6〜8gの茶葉を入れます。

 

❷急須にお湯を注ぐ

急須にお湯を注いでいるところの画像

湯呑で少し冷ましたお湯(85℃前後)を150〜200cc注ぎ、蓋を閉めて30〜40秒ほど蒸らします。

❸最後の一滴まで注ぎ切る

❸最後の一滴まで注ぎ切っているところの画像

一度にひとつの湯呑に注ぐのではなく、一つひとつの湯呑へ交互に注いで均等な濃さにします。最後の一滴までおいしさが詰まっているので、残さずに注ぎ切ってください。

4.まとめ

うだるような夏の暑さのピークを越えた秋に旬を迎える蔵出し茶は、旨みがいっそう深まり、摘みたての5月の新茶とはまた違う味わいが楽しめるお茶です。

そのポイントとなるのが、茶葉の熟成です。ひと夏の間、低温の蔵の中でじっくり熟成させることで、カドが取れて旨みが茶葉全体に行き渡り、豊かな熟味のお茶ができあがるのです。

時の経過とともに生まれる味わいは、この季節ならではの楽しみです。お湯の温度に気をつけてじっくり淹れて、旬のおいしさをぜひ味わってみてください。


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