話題の国産・和紅茶について徹底解説!海外産の紅茶との違いってなに?
2024.06.01
最近よく耳にするようになった「和紅茶」。国産紅茶や地紅茶とも呼ばれる、日本産の紅茶のことです。では海外産の紅茶とどう違うのでしょうか。また、緑茶と同じ葉っぱからつくられることを知っていますか? 話題の和紅茶について解説します!
1.和紅茶って何?話題の国産の紅茶について
カフェやお店でよく見かけるようになった「和紅茶」。これから流行すること間違いなしのお茶の人気と特長をご紹介します。
❶現在の普及率
近年、お店やSNSで耳にするようになった「和紅茶」。実際、ここ10年ほどで日本国内の生産地は2倍以上になっています。
そもそも、和紅茶と呼ばれるお茶は、「和」とある通り、日本産の茶葉でつくられた紅茶のことです。そのため、「国産紅茶」や「地紅茶」とも呼ばれます。日本茶の生産が盛んな京都や静岡、鹿児島などを中心に、その栽培量・生産量が増加。注目度も高まり、日本の紅茶である和紅茶がどんどん普及しています。
❷和紅茶の特長
では、和紅茶とはどんなお茶なのでしょうか。
和紅茶の定義とは、国内で栽培された茶の木から採れる茶葉を使ってつくられた国産の紅茶のことを指します。滋味深い味わいをしています。使用する茶の木の品種や生産者によって変わってきますが、和紅茶全体の特長として柑橘や野花を思わせるようなやさしい香りと、砂糖をいれなくてもほんのりと甘い味をしています。鼻に抜けるようなやわらかさがあり後の香りが楽しめるのも和紅茶ならではです。
そのため、海外産の紅茶に対して「渋みのあるはっきりとした味わいが苦手……」という方にこそおすすめです。これまでの紅茶のイメージを覆すお茶なのです。
2.海外産の紅茶と何が違うの?
和紅茶と海外産の紅茶ではどう違うのでしょうか。茶葉やお茶の色を見ても、見分けがつかない人がほとんどでしょう。
まず、和紅茶と海外産の紅茶は、産地が異なります。海外産の紅茶の主な産地は、インド・スリランカ・中国です。和紅茶は何度もいうように日本国内で生産されています。
一般的に「紅茶」と聞いて多くの人が思い浮かべる、ダージリンなどの海外産の紅茶は、アッサム系の味のしっかりとした葉の大きな茶の木品種を使用しているのに対し、和紅茶は緑茶になる茶の木品種からつくられることが多くこれはやや小さめで渋みが少ないことが特長です。そのため、茶葉もそれぞれ海外産はやや大きめ、和紅茶はやや小さめとその大きさが異なります。
このように、同じ「紅茶」の名前がついていても、そもそもの材料となる茶の葉が異なっています。
こうした茶の葉の違いから、お茶の味わいも違ってきます。海外産の紅茶は味のコクや渋みが強いインパクトのある飲み口に対し、和紅茶はほんのりとした甘みがあって渋みが少ないのが特長です。そのため、和紅茶ははちみつや果物の香料と合せやすいです。
3.緑茶とは同じ茶の木からつくられる!
和紅茶は、日本国内で採れた茶の葉から生産されます。緑色の緑茶と赤茶色の和紅茶、見た目も味もまったく異なる2つのお茶ですが、実は同じ1本の茶の木から製茶されます。その違いは製茶の過程によって生まれます。
茶畑で摘んだ茶の葉を、緑茶は「蒸熱(じょうねつ)」といってすぐに蒸して茶の葉の発酵をとめます。それに対して和紅茶は緑茶用よりも少し成長した段階の茶の葉を「萎凋(いちょう)」します。萎凋とは茶の葉を数時間置いておき、水分を飛ばししおれさせることです。和紅茶の香りに大きく影響する大切な工程です。
その後、緑茶は何度も「揉み」を経て、針のようにまっすぐとなった緑色の茶葉になります。和紅茶も同じく揉みの工程ののち「発酵」させていきます。こうすることで紅く美しい和紅茶になるのです。
つまり、2つのお茶の大きな違いは製茶過程で「発酵」するか否かにあります。
- 緑茶=不発酵茶
- 和紅茶=発酵茶
と分類されます。同じ茶の葉が製茶の工程によって異なるお茶になるのです。
最近では日本の紅茶用に栽培されている茶の木もあり、これからの和紅茶の普及に目が離せません。
4.まとめ
最近話題の和紅茶は、名前の通り日本国内で生産される紅茶のことで、国産紅茶や地紅茶と呼ばれることもあります。その普及率はすさまじく10年ほどで生産量が2倍にもなっています。その最大の特長はまろやかで甘い味わいです。インドやスリランカでつくられる海外産の紅茶がコクや渋みの強いインパクトのある味わいなのに対して、和紅茶は渋みの少ない甘みのある紅茶なのです。
また、緑茶と和紅茶は同じ茶の葉からつくられますが、その大きな違いは「発酵」にあります。
海外産の紅茶とも緑茶とも異なる和紅茶。これまでのお茶のイメージを覆す、新しい楽しみが見出せるお茶なのです。