大胆アレンジ!日本茶の概念を変える京都の美味しいお店3選
2023.06.01
普段の生活で当たり前のように飲んでいる日本茶ですが、今回ご紹介する3店を見れば、日本茶の概念が変わるかもしれません。さまざまな形で、時に思いもよらぬ提供方法で日本茶を楽しませる「チャレンジするお茶」をご紹介します。
日本茶を愛するがゆえに生み出された、個性的な日本茶アレンジは、ご自宅でお茶時間をより楽しむためのヒントにもなりそうです!
目次
1.日本茶アレンジ最先端の町!?京都の個性派メニューから学ぶヒント
日本を代表する銘茶「宇治茶」が世界から注目される京都には、お茶屋さんはもちろんのこと、おいしいお茶を使ったさまざまな料理やお菓子などを提供するお店が数多く存在しています。
その中には、今までの日本茶の概念を覆す、新しいアレンジを提案するお店もたくさん!
日本茶アレンジ最先端の京都で、編集部がその発想に驚き、自分でもぜひ試してみたい!と思ったお店のメニューをご紹介します。
2.日本初!?まんじゅうに日本茶をかける和菓子のお茶漬け!【間ーMAー】
日本茶の文化に親しむことをコンセプトにしたカフェ兼ギャラリー「間 ─MA─」。ここに和菓子のお茶漬けがあると聞き、さっそくお店へ。目の前に運ばれてきたのは、美しいお碗に盛られた和菓子と日本茶のセット「茶妙(さみょう)」です。
「お饅頭にお茶を注いでください」と案内され、注いで、ひと口。お饅頭の薄皮の食感、餡や薄皮に染み込む煎茶の旨み、どれも初めて出合う驚きのおいしさに感動していると……。
「文豪・森鷗外もご飯にお菓子をのせて、お茶をかけたアレンジを楽しんでいたそうです」と、オーナーの酒井俊明さん。もちろんはじめからお茶漬けではなく、和菓子とお茶を一口ずつ、そのものの味わいを楽しむもよし。お茶をかけて、餡がとけ出したお茶を口に含めば、まるでお汁粉のようです。
お菓子とお茶は3種類を用意し、煎茶、玉露、抹茶など、和菓子ごとにセレクトを変えて、日本茶の多彩さと懐の深さを堪能させてくれます。
日本茶を愛好し、茶道も嗜んでいる酒井さんは、お茶を使って何ができるか、アレンジできないかを考え、これらの楽しみ方を常に提案しています。「日本茶にアクセスする間口を広くして、興味を持ってもらうきっかけをつくれたら」。日本茶を知るオープンな「空間」として、今後の発展が楽しみです。
間 ─ MA ─
【住所】京都市南区西九条比永城町59
【電話】075-748-6198
【営業時間】11:00〜17:00
【定休日】火曜、水曜
【HP】https://0ma.jp
3.唐揚げに最高に合う日本茶はコレだ!!【そ/S/KAWAHIGASHI(そ・かわひがし)】
「世界最高傑作のペアリングは、白ごはんと梅干、ほうじ茶だと思うんです」と話すのは、「そ/S/KAWAHIGASHI」店主の中東篤志さん。
京都で代々、料亭を営む家系に生まれ、幼い頃から父である「草喰(そうじき)なかひがし」の主人・中東久雄さんに料理を学び、20代でニューヨークにある精進料理店で副料理長を務めたという、おいしいものを知り尽くしたであろう経歴を聞けば、冒頭の言葉も重みが違うというものです。
現在はニューヨークと京都を拠点に、日本食のイベント企画や飲食店のプロデュースなどを手がける中東さんが、2019年10月、満を持して自身のお店をオープン。今回、こちらで楽しめる料理の旨みが引き立つ、日本茶とのペアリングを教えてもらいました。
「卵が乗ったとり唐揚げ」にかかっているのは黒七味と、チリペッパーやクミン、カルダモンなどがミックスされたタンドリー。唐揚げのスパイシーさと、焙烙(ほうろく)を使って手炒りした「焙じ茶」のスモーキーな香りが、お互いを強調し合い、インパクトのある風味に。それに加えて、喉ごしもスッキリとしたほうじ茶は、口の中の油っこさを流してくれます。
こうした提案は、“おいしいを見つける9席のカリナリーハブ(飲食基地という意味)”をコンセプトとする同店の得意分野。スタッフとの会話から、お茶と料理の組合せやアレンジをあれこれ探すのも楽しそうです。常時、約20種の日本茶が揃う背景は、ニューヨークにあるのだとか。
「数年前に帰国し、日本ではお茶が身近なものすぎて、興味の持たれ方が浅いように感じました。僕自身、各地の玉露や煎茶のおいしさを教えてもらったのはアメリカ人から。当店では、比較的キャラクター=特長のある日本茶を選んで提供しています。飲んだ瞬間に驚きや感動があり、『お茶っていいな』と感じてもらえたらと思います」
そ/S/KAWAHIGASHI
【住所】京都市左京区丸太町通川端東入ル東丸太町18-5
【電話】075-748-1715
【営業時間】17:00~21:00(L.O.20:30)、土曜のみ 12:00~15:00(L.O.14:00)
【定休日】日曜、月曜
【HP】https://localplace.jp/t200515947/index.html
4.世界がおどろく煎茶コーヒー!【京茶珈琲cafe高台寺店 TeaCoffee&Shop】
お茶とコーヒーが見事に融合した飲み物があると聞いて向かったのが、高台寺近くのカフェ「京茶珈琲café」。まろやかでコクのある味わいの宇治茶は、急須で淹れると格別です。そのままでも十分においしい宇治茶ですが、珈琲と組合せることで、日本茶を世界に広げたいと考えたのだとか。“お茶&コーヒー好き”としては飲まないわけにはいきません。さっそくお店へうかがい、「なぜコーヒーと合せたのか」聞いてみました。
同店店長の大峯香菜さんは、企画プロモーションなどを行なう会社に在籍しており、そこで出合った宇治茶のおいしさを、日本のみならず世界中で“もっと知って欲しい”との思いから、嗜好品として親しまれているコーヒーとかけ合せてアレンジすることを考えたそうです。
「京都の茶職人とコーヒー職人の協力を得て、茶葉のふるい分けや火入れなど、おいしさや香りを引き出す技術と、豆の選定から焙煎、挽きの粗さなど細部に渡る匠の技を組合せ、“京茶珈琲”が完成しました」
宇治茶のおいしさを広める手段としてコーヒーを選んだ大峯さんらは、完成した京茶珈琲をラスベガス、ニューヨーク、パリの名だたる食フェスティバルへ出展。
「日本茶を飲む習慣のない海外で、どこまで味で勝負できるかの挑戦でした。結果、すべてでよい反響をもらい、逆輸入の形で日本へもってきたんです」
そんなお茶とコーヒーのハイブリッドなアレンジドリンクは、コーヒーの風味の中にお茶の旨みが爽やかに香る斬新な飲み口が特長。それぞれの味と香りを立てるために、茶葉、珈琲豆の状態のものからブレンド、ドリップして提供しています。
「とりわけ味の繊細さが際立つ煎茶コーヒーは、ハンドドリップで淹れています。少し冷ました90度に設定して時間をかけずにサッと抽出。渋みやえぐみが出る前に、煎茶の香りを引き出します」
宇治茶発の新しい飲み物をぜひ試してみてください。
京茶珈琲café 高台寺店 TeaCoffee&Shop
【住所】京都市東山区下弁天町49 高台寺ビル1F
【電話】075-533-7500
【営業時間】10:00〜22:00
【定休日】水曜
【HP】https://nagikyoto.com
5.おわりに
今、京都で注目の日本茶を楽しめるお店のメニューをご紹介しましたが、いかがでしたか? 日本茶の新たな楽しみ方に、心躍った方も多いのではないでしょうか。実際にお店に足を運んだり、アイディアをご自宅でのお茶時間やお料理の参考にしたり、ご自身でアレンジしてお好みの味を探したり、存分に日本茶を楽しんでください。