ほうじ茶の特徴とうれしい効果。より楽しむためのおいしい淹れ方とは?
2022.010.01
すっきりとした味わいが特徴のほうじ茶。その香ばしさはもちろん、実は煎茶と比較するとカフェインが少なかったり、リラックス効果が期待できたり。体と心にもうれしいほうじ茶と他の緑茶、どんな違いがあるのでしょうか?
この記事では、ほうじ茶の特徴や魅力、香りを最大限引き立たせる入れ方についてご紹介していきます。
目次
日本茶の中で、ほうじ茶だけがもつ5つの特徴
ほうじ茶が他の日本茶(煎茶)と違う大きな特徴は次の5つ。
1 褐色の大きな茶葉 = こんがりとした大きな褐色の茶葉は、焙じて製造されています。
2 熱湯ですぐ淹れられる =約90〜100度と、湯冷し不要の熱いお茶で淹れることができます。
3 透明感のある飴色 = 明るい、透明感のある飴色をしています。
4 カフェインが少なめ = 製造の過程で焙煎をしているため、他の日本茶よりもカフェインの量が減っています。
5 豊かな香り = ふんわりとした香ばしさが魅力です。
ほうじ茶は立ち上る湯気と鮮やかで透明感のある褐色が特徴です。それは熱湯ですぐに淹れられるから、生まれる味です。昔から日常的に飲まれることが多いお茶、実は成分をみるとカフェインが少なめなのをご存じでしたか?
さらに、一番の魅力は豊かな香り。お茶屋さんの前を通ったときに「いい香りがする!」と振り返ったことがある人も多いでしょう。あの香りは、ほうじ茶を焙じているときの香りなのです。煎茶や日本茶そのものの香りだと勘違いしている人も多いのですが、茶葉があるだけではそこまでは香りません。実は「焙煎の香り」なんです。
ほうじ茶の豊かな香りに、ホッと息をついたことがある人は多いでしょう。あの、ふんわりとした芳ばしさは、火を通す加熱作業「焙煎」で生まれます。 絶妙な火加減、そして温度と時間を決めるのは、ほうじ茶の作り手。豊かで深い味わいに、その個性が現れます。
クセの少ない味わいで老若男女から人気のほうじ茶。煎茶や番茶といった、他のお茶にはないほうじ茶の魅力に、もっと迫っていきます!
ほうじ茶の種類
煎茶を焙煎してつくるほうじ茶は、その茶葉が摘まれた「時期」と「部位」によって種類が変わります。
日本茶は摘まれた時期により、その呼び名が変化します。いわゆる二番茶(その年、新茶の次に摘まれた茶葉)、三番茶(二番茶の次に摘まれた茶葉)、秋冬番茶(秋に摘まれた茶葉)。どの時期に摘まれた茶葉を使うのかで、ほうじ茶の種類が変わります。
また、茶葉のなかでも、茎茶(かりがね)と呼ばれる、お茶の茎の部分を使って製造されたほうじ茶も、異なる風味が人気です。
実は優秀! ほうじ茶がからだと心にいい4つの理由
ほうじ茶を飲むとうれしい効果がたくさんあります。体と心にいいといわれる4つの理由を見ていきましょう。
❶胃腸の弱い人やおやすみ前にも楽しめる
ほうじ茶は高温で炒って作っているので、興奮作用の強い「カフェイン」や、苦み成分の「タンニン」が飛びやすくなっています。
そのため、煎茶などに比べ刺激の少ないお茶に。なので大人から子ども、胃腸の弱い人も楽しめます。また、就寝前のリラックスタイムにもおすすめです。
❷ 香り成分でリラックスできる
元々、日本茶の茶葉には多くの香り成分が含まれています。そのなかでもほうじ茶の特徴的な香りには、焙煎の過程で生まれる「ピラジン」という成分が含まれています。
また、リラックス効果のある「テアニン」も多く含まれており、疲れたときやイライラしたときなどに安らぎを与えてくれます。
❸ 食後の脂っぽさを洗い流してくれる
ほうじ茶には、食後の口に残る脂っぽさを洗い流してくれる作用があります。あまり意識することは少ないかもしれませんが、外食先で食後の締めのお茶として出されることも多いほうじ茶。
その理由は、さっぱりとした味わいにあったんですね。脂っこい食事を摂取したあとに、口の中にしつこく残りがちな油分を一掃してくれます。
❹ 美容やデトックスに期待がある
美容やデトックスに期待があるのは、ほうじ茶が含む成分に由来します。ほうじ茶には「ビタミンC」がレモンの約5倍も含まれていると言われています。
一般的にビタミンCには肌のハリやうるおいを保つ効果があるとされています。また、煎茶・緑茶全般に含まれる「カテキン」には脂肪を蓄積させない働きがあり、「ピラジン」には代謝を促す成分が豊富とされています。
これらの成分から、デトックスにも役立つことが期待されています。
癒し効果抜群! ほうじ茶をもっとおいしく香り高く淹れる方法
ほうじ茶の魅力である芳ばしい香り。そんなどこか懐かしく、リラックス効果抜群の香りを最大限に引き出すおいしい淹れ方をご紹介します。
その1.
ほうじ茶はやさしい口当たりで、カフェインレスなので水分補給にぴったり。たっぷり楽しむために大きな土瓶がおすすめです。
茶葉が大きいので、煎茶用の小さな急須では目詰まりを起こすことも。土瓶をあらかじめ熱しておくとなお、おいしく淹れられます。
その2.
透明感のあるきれいな飴色を生み出すのは、たっぷりと茶葉を使うから。一度に使う茶葉の目安は6〜8gですが、他の日本茶よりも茶葉が軽くて大きいので、煎茶のときの見た目よりも「多すぎるかな?」と思うくらいたっぷり入れましょう。
ローストされた茶葉から、すでに豊かな香りが漂っています。
その3.
湯冷し不要の熱いお茶で淹れられるのが、ほうじ茶の特徴です。約90〜100度のお湯を200〜300ccほど注ぎ、フタをして約30秒蒸らします。あまり長い時間蒸すと渋みが出てしまうのでご注意を。
その4.
ふんわりとした香ばしさがまっさきに漂うのがこの瞬間。あらかじめ温めておいた湯飲みに注ぎましょう。最後の一滴まで美しいお茶の色が、香り、味とともに目にもやすらぎを与えてくれます。
ほうじ茶は煎茶よりもカフェインが少なめのため、やさしい味です。暑い日には、氷に注いで冷茶として楽しむのもおすすめです。
まとめ
ほうじ茶の特徴は、豊かな香りと透明感のある褐色。そして、熱湯ですぐに淹れられて、カフェインが少なめ。そのおいしさに加えて、うれしい効果が期待できるのがほうじ茶。実はおいしいことづくめの、優秀なお茶なのです。