TPOに合わせたお茶の選び方

TPOに合わせたお茶の選び方

贈り物にする、お客様を迎える、リラックスする、食事を楽しむなど、お茶にはさまざまなシーンに合った飲み方とお茶の種類があります。お茶を選ぶ際、お茶を飲むときや場所、気持ちを思い浮かべながら、それぞれのシーンに合ったものを選んでみると、より一層お茶の魅力を身近に感じることができるでしょう。おもてなしのマナーや、お茶に含まれる成分が体に与える影響を意識しながら、TPOに合わせたお茶の選び方をご紹介します。

来客用のお茶  

お客様をおもてなしする際は、緑茶を選ぶのがマナーと言われています。日常的に番茶、ほうじ茶、玄米茶など飲んでいる方もいらっしゃると思いますが、お客様に出すお茶は緑茶が好ましいでしょう。なぜなら、一般的に番茶、ほうじ茶、玄米茶は、2番茶以降の茶葉を使用するため、上級茶として分類されないからです。これらはより親しみやすい家庭用のお茶であるとご理解いただければと思います。一方でお客様用の緑茶にも様々な銘柄があります。来客用のお茶はおもてなしの心を表すものですから、お客様との距離感や立ち位置を考慮してお茶をご選択されるのがよろしいでしょう。

贈り物用のお茶  

贈り物用には、玉露や抹茶、煎茶の中でも高級品として扱われるお茶を選んでみてはいかがでしょうか。品評会で栄誉ある賞を受賞したものや、茶師による選び抜かれたお茶を詰め合わせたものが贈答用のセットとして販売されています。最近では、お茶の缶に華麗な柄が施されたセットや、若蒸し煎茶と濃厚な深蒸し茶の2種類が飲み比べできるセットなど様々な贈答用のお茶がありますので、贈る方のイメージに合わせて選んでみてください。

ライフスタイルに合わせたお茶  

ほっと一息つくお茶の時間などと言われるように、ライフスタイルに合わせてお茶を選んでみると、お茶の時間がさらに有意義なものになりますよ。

仕事や勉強をするとき

仕事や勉強の合間に気分をリフレッシュしたくなったら、カフェインを多く含む緑茶がおすすめです。カフェインには、脳を覚醒させ集中力を高める作用があり、眠気覚ましにも最適です。緑茶に含まれるカフェイン量がコーヒーなどと比べて多いことは知られていますが、緑茶にはコーヒーとは比較にならない豊富な種類の成分が含まれていることで、カフェインの覚醒作用を阻害するため、コーヒーほどの刺激がなく、胃腸の弱い方でも安心して飲むことができます。

リラックスしたいとき

気持ちをリラックスさせたいときには、ほうじ茶や玄米茶はいかがでしょうか。独特の香りによるアロマ効果が期待でき、カフェインも少なめなので、リラックスタイムには最適です。また、玉露をぬるま湯でゆっくりと出せば、カフェインが控えめになり、リラックス効果のあるテアニンが楽しめます。食後に口をスッキリさせたいとき
脂っこいものを食べた後など、口の中をスッキリとさせたいときは、カテキンが多く含まれるお手頃なクラスの煎茶がおすすめです。カテキンには、虫歯や口臭を予防する働きがあると言われているため、甘いお菓子を食べた後に飲むと、その効果が期待できます。 

夜寝る前に

夜寝る前は、安眠の妨げにならないようにカフェイン量の少ない番茶やほうじ茶を選びましょう。カフェインには、覚醒作用の他にも利尿作用があるため、カフェイン量の多いお茶を飲みすぎると夜中や朝方にトイレに行きたくなって目が覚めてしまう恐れもあります。どうしても飲みたいときは、よりぬるいお湯でゆっくり出すか、普段よりも少ない量を薄めて飲むようにしましょう。

お茶は、産地や製造方法によって、味も価格も様々です。味や香りの好みを、重視して選ぶのももちろん大事なことですが、上記のような様々なシーンで寄り添ってもらえるのもお茶なのです。飲むときの気分や、飲んでもらう相手やシーンを想像しながら、日々の暮らしにお茶を取り入れて、お茶の時間を楽しんでみませんか。