お茶を淹れる急須の種類と選び方

お茶を淹れる急須の種類と選び方

お茶本来の美味しさをとことん堪能するのなら、茶葉だけではなく急須選びにもこだわりたいですね。お茶は、急須の材質や大きさによっても味が大きく変わるということをご存知でしょうか。急須本体の材質や大きさ、取り付ける茶こしも多種類あり、ご自身が急須をどのように使いたいかというライフスタイルに合わせて選ぶことも重要です。

急須の役割  

急須は、お茶の美味しさを逃さず味わうための必須アイテムです。急須には、以下に紹介するような役割があります。

茶葉をお湯と馴染ませる

茶葉の成分をできるだけ多く抽出するには、茶葉に水分を十分に吸収させる必要があります。急須は、茶葉が急須の中でよく回って広がり、湯に馴染みやすくする形状になっているため、お茶の味を引き出すことができます。

複数人用につぎ分ける  

急須を使うと、お好みの濃さ・温度に調整したお茶を複数人につぎ分けることができます。

急須の種類  

急須には、主に陶器製と磁器製の2種類があります。粘土を原料とする陶器製の急須は、粒子が粗く優れた吸水性を持つのが特徴で、お茶の成分が急須本体に染み込みやすく、使えば使うほど味わい深くなると言われています。しかし、一つの急須で色々な種類のお茶を飲む場合は、香りが混ざってしまうことも……。これに対し磁器製の急須は、吸水性がないため香りが移る心配は不要です。ただし、陶器製に比べ保温性はやや劣ります。
急須の大きさで言えば、職場の会議室など大勢が集まる場面では、一般的な急須よりも一回り大きい土瓶が重宝されます。

急須の選び方  

急須を購入するときには、急須の大きさや茶こしの形を自分の使い方に合わせて選ぶことに加えて、すり合わせも確認すると良いでしょう。

急須の大きさで選ぶ

煎茶や玉露など、低温でじっくりと味を引き出したいお茶には小さめの急須、熱いお湯で一気に味を引き出したい番茶やほうじ茶には大きめの急須、というように、茶葉の種類によって急須を使い分けるのが理想的ですが、実際にはいくつもの急須を持っているのはスペース的にも難しいという方もいらっしゃるでしょう。ご家庭で一つの急須で様々な茶葉を楽しみたいという場合には、人数(2~3人用:200~300ml)やご自身の手の大きさに合うかという点を優先して、急須を選んでみてください。

茶こしの形で選ぶ

昔ながらの急須には、丸く膨らんだ陶器製の網が取り付けられていますが、最近では、アルミ製のものや平らな網が張られているものなど、様々な種類があります。アルミ製の網は、陶器製の網に比べ目が細かく、隙間から茶葉が漏れ出しにくいのが特徴ですが、一方で、丁寧に洗わないと茶葉が網目に残ってしまうことがあります。取り外し可能で、茶葉の取り出しや洗浄に便利なカゴ型の茶こしが付いた急須もありますが、カゴが浅いとお湯と茶葉がしっかり馴染まず、旨みを十分に出しきれないなどのデメリットもありますので、それぞれのメリットとデメリットを確認した上で選びましょう。

すり合わせが良いものを選ぶ

急須の蓋を取ってみると、蓋と急須本体が合わさる部分(棚)が白くなっているのが見えます。これは、急須本体と蓋をぴったりと合わせるために、製造の過程で急須本体と蓋を何度もすり合わせ、ガタつきを解消させた証しです。そして、この合わさる部分の肌が少し荒くなっていることで、そこに薄く水がはりつき、急須の密閉性を高めるといわれています。すり合わせが不十分な急須は、十分な蒸らしができないだけではなく、お茶を注ぐとお茶がポトポトと溢れてしまいます。急須を選ぶときは、すり合わせが良く、急須本体に蓋がぴったり合っているかどうかを確認しましょう。

最近では、ダイニングテーブルやソファにも似合うデザインの急須や湯呑みなど、おしゃれな茶器もたくさんあります。普段あまり急須でお茶を淹れる機会が少ない方も、急須の種類と選び方を知って、お気に入りの急須を選んでみてはいかがでしょうか。